一層進化へ、貴重な経験 高梨健太選手(山形城北高出)、抜きんでた力めざして

2021/8/4 12:21
〈日本―ブラジル〉第2セット、スパイクを放つ高梨健太(名古屋・山形城北高出)=有明アリーナ

 バレーボール男子の日本は準々決勝で敗退。2連覇を狙うブラジルに及ばなかったが、1992年のバルセロナ五輪以来となる1次リーグ突破を決めるなど、低迷期からの脱却を強く印象付けた。出場機会が限られたとはいえ、アタッカーの高梨健太選手(24)=名古屋・山形城北高出=は強打を武器にコートで躍動。さらなる進化を遂げるための貴重な経験を踏んだのではないか。

 1次リーグで精度の高いイタリアのブロックを前に見せ場をつくるなど、持ち味とする打点の高いスパイクは世界でも通用することを示した。中垣内祐一監督が「ガッツがあってたくましさを感じる」と評した、熱く骨太なプレースタイルでチームを刺激し、試合を重ねるごとに役割は大きくなったようだった。

 一方で課題とするサーブレシーブでミスがあり、相手にサーブで狙われたケースも。「1点の重みが他の大会と違う」と、世界が注目する大舞台で戦う難しさを痛感。守備面のスキル向上が飛躍に欠かせない要素であることは本人も改めて理解したはずだ。

 日本は強力なサーブで攻める世界の潮流から逆行し、長らく低迷。五輪での29年ぶりの勝利はチームに攻める意識が浸透した証しでもある。気鋭のアタッカーはその一端を担ったが、「点取り屋」としての存在感を示すまでには至らなかったことは事実。ライバルの多いポジションだからこそ抜きんでた力が必要だ。期間中につかんだ自信と感じた悔しさは、選手としてさらに高いレベルに到達するための糧になるに違いない。

「本当に生き生き」「持ち味出ていた」-母・久美子さん、恩師・安部さん

 初の五輪を終えた高梨健太選手に対し、母久美子さん(58)は「本当に生き生きとしている表情だった」、恩師である山形城北高教諭の安部功さん(47)は「(準々決勝は)強豪相手にスパイクで勝負していた。バックアタックの1点に持ち味が出ていた」とそれぞれうれしそうに語った。

 途中出場が多かった中、久美子さんは「モチベーションを高め続けていてと思い続けた。見ていながら常にどきどきしていた」と振り返った。五輪出場を機に知名度は上がり、県民からの激励の声に「自分の息子、孫のように応援してもらい、感動をもらったとも言ってもらった。本当にありがたい」と感謝した。

 ブラジル戦を職員室で見守ったという安部さんは「相手も強く、難しいゲームになったが、日本全体としていい試合を見せてくれた」と評価。「本人もそう思っているだろうが、3年後に次の五輪がある。日本代表の座をまたつかみ、もう一度この舞台に出場してほしい」と願った。

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