照らした水球の未来 東京五輪・県勢2人戦い終えて

2021/8/3 13:44

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 水球は男女とも1次リーグ突破は果たせなかった。男子の鈴木透生(とうい)選手(日体大・山形市出身)、女子の三浦里佳子選手(日体ク・山形工高出)ともに大舞台に臆することなく躍動したとはいえ、世界の壁は高かった。

【鈴木透生選手】次世代の主力、世界で戦う自信

 男子は2日の南アフリカとの最終戦で、1984年のロサンゼルス五輪以来となる37年ぶりの勝利を手にした。水球強国のハンガリーに善戦し、ギリシャや米国とは接戦だった。紙一重の勝負をものにできなかったのは残念だが、粘り強い守備からカウンターを決める戦術は見応えがあった。

 鈴木選手は出場機会こそ限られたが、要所で得点を決めてチームに勢いを呼び込むなど攻守に躍動。伸び盛りの21歳は1対1でも競り負けず、世界で戦う自信をつかんだのではないか。次世代の主力を担うポテンシャルを感じさせる戦いぶりだった。一方で筋力強化の重要性も実感しており、この経験を3年後のパリ、7年後のロサンゼルスの両五輪につなげてほしい。

【三浦里佳子選手】真摯な姿勢、苦難知るからこそ

 女子は4戦全敗に終わったが、力は尽くした。攻守で出足の速さを意識し、格上相手に終盤まで競り合う試合もあった。開催国枠で巡ってきた初の五輪だったとはいえ、水球史に足跡を残したことは未来につながる収穫といえる。

 GKとして屈強な海外勢の前に立ちはだかった三浦選手だったが、調子が上がりきらなかったのは残念でならない。結果だけを見れば厳しい現実を突きつけられた格好だが、「思い切りできた」との言葉は31歳のベテランの素直な思いだろう。日本女子は実力差を理由に海外派遣を見送られた時期も経験。苦しみを知るからこその、真摯(しんし)に競技に向き合う姿勢は印象的だった。

 本場の欧州では「水中の格闘技」として人気が高いが、国内ではマイナーな印象が拭えない。競技の未来も背負って臨んだ2人にとっては納得のいく成績ではなかったのかもしれない。それでもプレーの迫力や戦術の妙は十分に伝わったはずだ。今大会の活躍が競技普及の契機となることを願いたい。

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