ドキュメンタリー映画祭、今年はオンライン コンペ、アジア部門上映作品決まる

2021/8/3 12:15

 認定NPO法人山形国際ドキュメンタリー映画祭(伊藤光一郎理事長)は2日、10月7~14日に開く映画祭について、オンライン開催とすると発表した。新型コロナウイルス禍がいまだ続く中、市民や参加者らの安全を第一に判断した。メインのインターナショナル・コンペティション、アジア千波万波の両部門の上映作品も決定し、同日に公表された。

 山形市のとんがりビル内「KUGURU」で会見した。開催方法については昨年から会場開催を目指して検討してきたが、「映画祭からクラスター(感染者集団)を絶対に出さない」ことを第一義に現状を踏まえ断念した。作品数や特集を減らし、配信上映は50~60本を予定する(コンペ、アジアの作品は国内のみ視聴可)。

 一方で監督への質疑応答など映画祭の魅力でもある交流イベントの配信を充実。映画祭の社交場だった「香味庵クラブ」のバーチャル版や、カタログと一緒に芋煮などの山形名物を視聴者に送り、配信とともに楽しんでもらう企画など、山形らしい形を模索する。配信方法などは今後、詳細を詰める。伊藤理事長は「オンラインだからこそ普段山形に来ない人に見てもらえるメリットもある。新たな山形ファンにつながればいい」と話した。

 コンペ、アジアの両部門には124の国と地域から前回の8割ほどの1972作品が寄せられた。コンペ部門は若手からベテランまで幅広い地域の15作品をノミネートした。5年にわたりストリップ劇場を取材し、踊り子らの素顔を記録した「ヌード・アット・ハート」、監督が済州島の4.3事件を生き抜いた母の半生と向き合った「スープとイデオロギー」の2作品は日本が主な舞台。紛争や衝突が続く地域から届いた作品も並んだ。

 アジアの新進作家を発掘、応援するアジア部門は18作品を選出。インド北部でスマホを駆使して取材に奮闘する女性記者の姿を追った「燃え上がる記者たち」など女性の活躍を捉えた作品が目立つ。コロナ禍で街がロックダウンし、自宅で自身の不安を吐露する様子などを収めた「ルオルオの怖(おそ)れ」などもある。両部門は国内在住の審査員が山形の専用会場で鑑賞し、審査する。

熊谷さん(芸工大)の作品、ポスターデザインに

山形国際ドキュメンタリー映画祭2021のメインポスターとデザインした熊谷菜瑠美さん=山形市(撮影時のみマスク外す)

 映画祭メインポスターのデザインも同日に公表され、東北芸術工科大グラフィックデザイン学科3年熊谷菜瑠美(なるみ)さん(20)=仙台市=のデザインが選ばれた。

 熊谷さんの作品は仙台市の広瀬川宮沢緑地で撮影した写真がベース。さまざまな色や大きさのコンクリート製の丸椅子を人間の多種多様な面と重ね合わせ、ドキュメンタリー映画が映し出す人間一人一人の生き方の多様性を表現した。熊谷さんは「それぞれが互いを認め合える世界が広がってほしいとの思いを込めた。これまでの映画祭で語り合ってきた痕跡も感じてもらえれば」と話した。

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