水球2選手に託す思い 小中で指導の木村さん「競技の素晴らしさ伝えて」

2021/7/30 11:54
女子の三浦里佳子と男子の鈴木透生の両選手を指導した山形水球クラブ総監督の木村潤一さん=山形市

 水球で本県の2選手が屈強な海外勢に立ち向かっている。女子のベテラン三浦里佳子(日体ク・山形工高出)と男子の新鋭鈴木透生(日体大・山形市出身)の両選手だ。ともに小中学生時代に地元の山形水球クラブで腕を磨いて五輪舞台に羽ばたいた。2人を指導した総監督の木村潤一さん(56)は躍動する教え子たちに「こつこつと好きなことを突き詰めた結果。最後まで諦めないプレーでチームの勝利に貢献してほしい」とエールを送る。

 クラブで三浦選手はフィールドプレーヤーだった。木村さんは「真面目な頑張り屋さん。目立つわけではなく、どちらかといえば守備的な選手だった」と振り返る。高校でのGK転向で競技者として成長。代表最年長の31歳になっても一線で活躍を続け、「本人の性格にも合っていた。競技愛は今も昔も変わらず、飛躍のいいきっかけになったのではないか」とみる。

 持ち味の鋭い反応を武器に大学1年から日本代表で活躍。木村さんは「競技を続ける重みを自覚したことでプレーの質も上がった」と覚悟を感じたという。代表落ちを経験しながらも、復帰してチームの守護神としてゴールを守り続ける雄姿に、「年を重ねるごとにストイックさが増し、試合中の集中力はたいしたものだ」とうなる。

 鈴木選手は女子の代表候補だった姉の琴莉さん(24)の背中を追って躍進を遂げたという。「根っからの負けず嫌い。泳ぎで追い付けずに半べそをかいていた姿は今も覚えている」と懐かしむ。活発で常にチームの中心にいる選手だった。小学6年時と中学3年時に全国優勝を経験。「点の取り方が上手で、自分が頑張らなければという思いも強かったのだろう」と思い起こす。

 さらなる刺激を求め、鈴木選手は強豪の秀明英光高(埼玉)に進学。大学生主体の世界ジュニア選手権代表に高校生で選ばれるなど、順調に成長の階段を駆け上がる21歳の姿に、木村さんは「攻めるだけでなく守ることの大切さにも気付き、地道に努力してきたからこその成長だろう」と目を細める。

 体格で勝る海外勢と対峙(たいじ)する日本代表のプレーに、木村さんはクラブの姿も重ねて見ている。「泳ぎまくって粘り強く戦う戦術はクラブのスタイルにも通ずるところがある」。だからこそ教え子の奮闘を願わずにはいられない。「見る人に水球の素晴らしさを伝えてほしい」。競技の未来を背負う2人に自身の思いも託す。

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