日大山形、打ち勝った 高校野球山形大会・決勝

2021/7/25 10:26
〈東海大山形―日大山形〉2回裏日大2死満塁、4番伊藤翔海が2点適時二塁打を放ち4―1とする=中山町の荘銀・日新スタジアム

 第103回全国高校野球選手権山形大会は24日、中山町の荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがた(荘銀・日新スタジアム=県野球場)で決勝が行われ、日大山形が東海大山形を9―7で退け、4年ぶり18度目の栄冠をつかんだ。

 日大は1点を先制された初回、3番佐藤拓斗の適時打などで2点を加え、二回には4番伊藤翔海が2点適時二塁打を放った。1点差とされた六回に6番梅津康生の適時内野安打、七回に2番新田大樹の適時二塁打で加点。六回から登板の右腕滝口琉偉の粘投と無失策の守備で踏ん張り、振り切った。東海大は本塁打2本などで見せ場をつくったが、あと一歩届かなかった。

 日大は甲子園球場で8月9日に開幕する本大会に本県代表として出場する。

 【評】日大山形が終盤に勝負強さを示し、東海大山形を振り切った。1点差まで迫られた六回、内野安打を含む3安打で1点を追加。七回には盗塁を絡め、2番新田の適時二塁打で点差を広げた。3番手の右腕滝口は走者を背負いながら1失点でしのいだ。東海大山形は長打力で猛追したが、失点に絡んだ暴投や四球が痛かった。

先輩の分まで頑張った

 日大山形・荒木準也監督の話 (昨年大会中止で出場できずに)卒業した先輩の分も頑張ってくれた。甲子園に向けていい準備をしたい。野球ができる喜び、県代表として戦える喜びを感じ、堂々とプレーしてほしい。

ミスの差が相手との差

 東海大山形・武田宅矢監督の話 嫌な流れを攻撃でカバーしてくれた。ただ、結果的にミスの差が日大との差だ。大会を通じて諦めず、一つの塁を狙う姿勢を見せてくれた。うまい選手ではなく、粘り強い選手になってくれた。

好プレー連鎖打線に勢い

 【ハイライト】大飛球だった。1点を先制された初回2死。日大山形の左翼手伊藤翔海は相手打者の弾道と、下がり続ける中堅手榎本拓海を見て「(スタンドに)入ってしまう」と思った。次の瞬間、飛び上がった榎本がフェンスに激突しながらキャッチ。痛みにもだえながらボールを離さない仲間の姿を見て、伊藤は「この試合、絶対に勝たなければ」と奮起した。

 担架で運ばれる榎本を見送りベンチに戻ると、ほかの選手の目の色、雰囲気も変わっていた。「(榎本に)勇気をもらった」と荒木準也監督。日大の攻撃にいきなり火が付いた。すぐに死球と盗塁で1死二塁とし、3番佐藤拓斗が右前適時打。6番梅津康生も右前適時打で続き、仲間の踏ん張りに応えた。二回2死満塁の好機は、4番伊藤が「ここで点を取れなければ流れを失ってしまう」と気持ちを込めて直球を振り抜き、2点適時二塁打。チームは五回で5点差をつけた。

 試練は六回だった。2番手投手がつかまり、2本塁打を浴び4失点。1点差に迫られた。強打を売りにする日大の選手ですら、東海大山形の重量打線には恐怖を覚えたという。だが、3番手滝口琉偉が頼もしかった。切れのあるスライダーで併殺に打ち取り、リードを死守した。試合後に荒木監督は「逆転されないことが大きかった」とうなずいた。

 2006年以来となった両チームの決戦は、ハイレベルな打ち合いとなった。ただ「守備を一番重視している」と荒木監督が言うように、この日も与四死球4で無失策。好捕や、悪い流れを断った後の得点力が光った。好プレーの連鎖で、チームカラーの「つなぐ打線」の真骨頂を示した。1年前の大会中止を乗り越えての悲願。先輩たちの願いもつなぎ抜き、選手の表情は達成感に満ちていた。

東海大山形、一歩及ばず

〈東海大山形―日大山形〉6回表東海大1死一、二塁、7番田端真陽ダッタが3点本塁打を放ち6―7と追い上げる

 26年ぶりの頂点を狙った東海大山形の持ち味は、六回の攻めに出た。3番的場北斗のソロ本塁打で勢いづき、1死一、二塁で右打席に7番田端真陽ダッタが入った。2ストライクと追い込まれた彼に、指揮官が届けたサインはエンドラン。迷わず打て―の思いに応え、3点本塁打で日大山形に食らい付いた。

 この試合まで「ずっとライバルだった」という日大に、徐々に離されていた。六回に相手の先発投手が交代すると、先頭の的場は「流れを継続したいという油断」を突こうと考えた。準決勝で3安打3打点を挙げた主将は、外角の直球を右中間スタンドに運んだ。好機で続いた田端も甘く入った直球を狙い、1点差まで迫った。「自分たちで歴史を変えよう」と臨んだ試合で、自慢の強打で粘った。

 2人以外にも強打の5番大河原翔らは、下級生の頃から試合に出てきた3年生だ。昨夏の代替大会では決勝で敗退した。「ずっとしんどかった。いつもいいところで負け、練習もきつかった」と本音をこぼした田端が、涙目で締めくくった。「最後までみんなで戦えて良かった」

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