攻撃に変化、V字回復 モンテ、前半戦振り返り

2021/7/22 11:43
チーム立て直しの過程で、攻撃の中心を担ったMF山田康太(14)=4月、天童市・NDソフトスタジアム山形

 サッカーJ2・モンテディオ山形は、通算成績12勝6分け5敗の6位で、東京五輪による中断期間に入った。今季は初の監督解任を経て、新たにピーター・クラモフスキー監督を迎えた。就任後は10戦連続で黒星がなく、クラブ記録に並ぶ6連勝をマーク。勝ち点6差で昇格圏(2位以内)を射程に捉える。

 石丸清隆元監督の指揮2年目だった今季、攻撃的なスタイルの進化が期待された。しかし、故障者が相次いだほか、ゴール前の精度を高められず、第3節松本戦から7戦未勝利(3分け4敗)と苦しんだ。クラブは第9節長崎戦後に、異例の指揮官交代に踏み切った。早期決断の背景には、今季の降格枠が4クラブという危機感があった。

 クラブは解任前から人選に着手していたとみられ、初めての外国人監督が誕生。クラモフスキー監督が昨季のJ1清水で成績を残せなかったためか、「大ばくち」とはやし立てる一部メディアもいた。暫定的に指揮した佐藤尽コーチから引き継ぐ形で、監督自身がそうした不安を打ち消した。初陣の第14節愛媛戦から3連勝、引き分けを挟み、6連勝と計10戦で勝ち点28を積んだ。後方からのビルドアップ(組み立て)など、石丸元監督が築いた土台を生かし、V字回復を果たした。

 第14節以降の計10戦の総得点は19で、それ以前の7得点の3倍近くになった。狭いエリアで相手を崩そうと遅攻が多かった攻撃は、時には縦に速い形を繰り出すように変わった。狙いは敵陣にあるスペース。サイドハーフにボールが供給されれば、DFラインの裏にクロスを送る場面も出てきた。先に踏み込めば、ゴールに直結するからだ。

 「スペースと距離感、そしてテンポが大事だと思っている」とクラモフスキー監督。ボランチのMF藤田息吹らからは何度もスペースを意識した言葉が聞かれ、狙いの統一は図られていた。他にパスの出し手と受け手、さらにもう一人が関わる「3人目の動き」と呼ばれる形は、得意の攻撃パターンになりつつある。第23節磐田戦のMF中原輝のゴールはその典型。ワンタッチパスでスペースを突き、相手を大きく揺さぶった。

 前半戦は上位勢の躍進が目立ち、自動昇格のラインは大まかな目安となる勝ち点84を上回る可能性が出てきた。山形は残り19試合の段階で同42。気を緩めれば、即脱落の厳しい勝負が続く。クラモフスキー監督は「止まることなく、続けていくだけ。自分たちのすべてを改善できるいい時間だ」と、中断期間を前向きに捉えた。

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