豊実精工(岐阜)、米沢に専用工場整備へ 環境負荷が低いコーティング技術、生産へ

2021/7/4 10:38
新技術の開発に携わった豊実精工米沢技術開発センター=米沢市

 表面処理、精密部品加工などの豊実精工(岐阜県富加町、今泉由紀雄社長)は環境負荷が低い酸化アルミニウムによるコーティング技術を開発した。研究の中核を担ったのは同社米沢技術開発センター(米沢市)。クロムめっきの代替技術として注目され、国内外のメーカーから引き合いがあるという。同市の米沢八幡原中核工業団地に専用工場を整備し、来年1月末をめどに生産を始める予定。

 産業技術総合研究所(茨城県つくば市)との共同開発。真空中で酸化アルミニウムの粉体を高速で吹き付けることで、隙間のない強固な膜ができる。材料の製造からコーティングまで全工程で環境負荷物質を使わない上、防さび性、耐久性ともにクロムめっきと同程度かそれ以上の数値を記録している。また、常温で作業するため、コーティングする金属を変化させない。同研究所が発見した技術を立体に応用。米沢センターでは膜の基本特性の評価や生産性向上の検討に取り組んできた。

新技術でコーティングした自動車部品などのサンプル

 クロムめっきの処理工程では六価クロム溶液を使用することが多く、めっき膜自体には六価クロムは含まれないものの、作業従事者や環境への悪影響が指摘されてきた。海外では使用を規制する動きがあるほか、国内でも自動車関連をはじめとした産業界で、六価クロムを使わずに耐久性や防さび性に優れた表面処理技術を求める声が強まっていた。

 同社によると電気自動車やロボット、半導体などの分野での需要を見込んでおり、既に引き合いがある。同業者に対しては、同社からの設備、材料の購入を条件に技術提供を行う考え。今泉社長は「地味だが、日本の競争力向上に貢献できる分野」とし、この分野の売上高200~300億円を目指す。

 岐阜、福井にも新たに生産ラインを設ける計画で、米沢工場では関東の顧客に対応するほか、技術提供先への研修を行う。米沢だけで新たに10人以上の雇用を予定している。米沢技術開発センターの金子典章センター長は「新技術の特性をさらに向上させ、新たな表面処理技術として応用範囲を広げたい」と話した。

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