職域接種、ワクチンは届くのか きょう3日から県内本格化、期待の陰で

2021/7/3 09:46

 新型コロナウイルスのワクチン接種に関し、企業・団体や大学などを対象とする職域接種が今週末から、県内でも本格化する。いつ再来するか分からない感染流行期に備えて接種の加速化が期待される一方、既に申請を済ませていても国からの連絡がない企業・団体もあり、ワクチンが確保できたかどうか不安の声も聞かれる。

 職域接種は企業・団体などが注射の打ち手や会場を自ら確保し、同じ会場で最低千人程度に2回接種することが条件。企業・団体などはワクチンや保管用の冷凍庫、注射器などの提供を受け、接種を進めていく。

 県によると、2日午後3時現在、県内の企業・団体、大学などから国への申請は26件で対象人数は約4万9千人を数える。申請件数26件のち7件が既に受理され、対象人数は約1万1千人のままとなっている。申請者の詳細は明らかにしていない。

 山形新聞の取材では職域接種の申請や実施を公表した企業・団体などのうち、県内で最も早い接種開始は山形銀行の3日。同行と関連会社のパート・嘱託を含む職員約1500人を対象とする。4日からは天童温泉協同組合(天童市)が旅館従業員ら約1200人の接種を始める。山口敦史理事長は「1回目は全員分の確保にめどが立った。不安と緊張感の中で準備を進めている」と話した。県は9日から実施し、本庁の医療、災害業務の担当者らを優先する。対象人数は約6300人を見込む。

 一方、国は先月25日、職域接種の申請受け付けを午後5時で一時停止した。企業・大学による要望が殺到し、使用する米モデルナ製の輸入ペースが追い付かないことが理由という。

 県内で25日までに申請を済ませた企業・団体からもワクチンが確保されたかどうか不安の声が漏れる。県経営者協会、山形経済同友会、山形商工会議所の経済3団体は24日に合同で申請した。8月中旬以降、会員企業の従業員5千人程度を対象に県立保健医療大(山形市)を会場として接種を進める方針で、同協会は「国に対して申請に関する審査のスピードアップを望む。接種は地方や中小零細企業を重視すべきだ」と指摘した。

 山形大は学生と教職員の7100人を対象として23日に申請した。8月以降の接種を予定し、「予定通り実施できるかどうか心配だが、準備は進めている。職域接種までに既に接種を済ませる人がいるだろう。人数が流動的になりそうだ」と先行きを不安視した。

 県の担当者は「申請が受理された7件以外の企業や団体などは、申請はしたものの国からの連絡がないなど中ぶらりんの状況にあり、国には早急な連絡を求めたい」とし、「受理された7件についても初回以降のワクチンが確実に供給されるかどうか見通しが立っていない」と現状を説明した。

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