上山市断念の温泉健康施設、地元電力会社が整備へ 最上川さくら回廊の桜35本生かす

2021/6/24 11:34
アグリパーク電力が健康温泉施設を建設する予定地=上山市弁天

 上山市が市内弁天で計画し、市議会による否決で整備を断念した温泉健康施設について、電力会社・アグリパーク電力(同市、荒井正幸社長)が、計画予定地を取得した上で、温泉や温水プールなどを備えた健康施設や発電施設の建設計画を進めていることが23日、分かった。荒井社長は「市の計画を生かしつつ、自給自足のエネルギーで多くの人の健康づくりにつながるような新たな取り組みに挑戦したい」とする。

 同社は太陽光やメタン発酵による発電を手掛けている。計画によると、斎藤茂吉記念館が所有する駐車場南側約9千平方メートルで、市が掘削した源泉を活用した日帰り温泉や温水プール、スタジオ、レストランなどを整備する。太陽光やバイオマス発電施設も設け、電力を賄うという。7月にも同記念館と用地の売買契約を結ぶ予定で、来年夏の着工、2023年10月のオープンを目指す。

 計画地内には山形新聞と山形放送が提唱する「最上川さくら回廊」事業で植栽した桜35本があり、市の計画ではこれらの木すべてを伐採する予定だったが、荒井社長は「貴重な桜を生かして整備を進めたい」としている。

 市の温泉健康施設構想は、「上山型温泉クアオルト(健康保養地)構想」のシンボルとして、日帰り温泉、運動浴プールなどを備えた施設を建設する計画だった。市民の健康増進や交流人口の拡大を目指して事業を進めてきたが、財政圧迫や市民への浸透不足を理由に昨年2月の臨時会で市議会が関連予算案を否決、計画は中止に追い込まれた。市の構想を生かした形の施設整備が計画されていることについて、横戸長兵衛市長は「市が進めようとした事業に近い取り組みを民間企業が展開してくれるのであれば大変ありがたい。市民の健康増進などにつながる施設として期待したい」と話している。

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