オスプレイ飛来、危機管理の課題露呈 県、マニュアルなく対応混迷

2021/6/22 12:15
オスプレイが緊急着陸して間もなく、多くの人が見物に集まった=14日午後7時13分、東根市・山形空港

 東根市の山形空港に緊急着陸した米軍輸送機オスプレイは、20日に東京都の横田基地へと帰還した。駐機した約1週間、機体の不具合について詳細は明かされなかった。空港を管理する県に米軍が関係するような事態を想定したマニュアルはなく、最初の報道発表までに丸一日を要した。情報収集でも対応は混迷し、今回のオスプレイの飛来によって、危機管理面で多くの課題が露呈した形だ。

 14日午後5時10分ごろにオスプレイ1機が緊急着陸し、さらに約10分後にもう1機が着陸すると、県空港事務所は陸上自衛隊や県警などへの報告に追われた。米軍などの事案に対応する東北防衛局については、同事務所が通報したのではなく、最初の着陸から約40分後に同局側から連絡が入った。そして、午後8時ごろに同局職員と通訳が現場に着いた。ツイッターには着陸直後から投稿が相次ぎ、機体の危険性などについてのアナウンスがないまま、親子連れを含め多くの見物人が空港に集まった。

 この日夜までに分かった情報は、緊急着陸したのは横田基地所属の米軍機で、機体に不具合の可能性がある―という程度。詰め掛けた報道陣に同事務所は「確認中」との回答を繰り返し、防衛局への電話も通じにくい状態だった。県が時系列に沿った事実関係を正式に発表したのは翌15日の夕方だった。

 県空港事務所は「目視で状況を把握した。既存のマニュアルを応用し、各所に連絡したが想定外の事態だった」と説明。報道発表を担った県防災くらし安心部は「防衛局の正式な情報提供を待っていて、時間がかかった」と明かす。県民に対する即時の情報提供は重要との認識で、どういう対応が適切だったか検討したいとした。

 東北防衛局管内で、過去5年間にオスプレイが予防着陸したのは他に1件ある。昨年2月10日午後6時40分ごろ、沖縄県の普天間飛行場所属の1機が仙台空港に着陸し、翌11日午後2時半に離陸した。機器が凍結したためだったという。当時は、同局をはじめ空港管理会社や宮城県も事実を公表していない。その理由について管理会社は「国から機密性が高いと指摘があったことと、定期便に影響しなかったため」、宮城県は「本来は国が公表するべき」としている。

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