「黙活」で感染防ごう 新型コロナ、各業界が試行錯誤

2021/6/20 10:48

 新型コロナ感染の一因となる飛沫(ひまつ)を防ぐための「黙食」になぞらえ、会話を控えて活動する「黙活」が静かに広がっている。話さずに温泉に入浴する「黙浴」、声を出さずにスポーツを応援する「黙援」、バス車内での会話を慎む「黙乗」…。いまだ収束が見込めない中、各業界が試行錯誤しながらコロナと向き合っている。

浴室前に掲示された黙浴の張り紙=山形市・青田健康ランド

■温泉浴場

 県民にとって、コロナ前には会話を楽しむ交流の場でもあった温泉浴場。今は「ポチャン」「カラン」といった音だけが響く。山形市の青田健康ランドでは、浴場をはじめ約15カ所に「黙浴」ポスターを掲げている。常連の60代女性は「世間話ができない寂しさは感じる」とぽつり。だが安心して利用するためには大事な取り組みだと評価した。

 同施設では昨年11月から「入浴中は会話を控えてください」と注意書きを掲示していたが、今年1月に職員の「黙食に倣い黙浴にしよう」との提案で変更した。浴室内での会話に花が咲き、声が大きくなる場面が見られたためだ。鈴木健夫マネジャー(75)は「制限は掛けたくないが、平穏な日々を取り戻すまで我慢の時」と話した。

ハリセンをたたいて応援するサッカーJ2・モンテディオ山形のサポーター=天童市・NDソフトスタジアム山形

■スタジアム

 スポーツの現場も変化している。サッカーJ2・モンテディオ山形は「応援ハリセン」を無料配布。太鼓の音に合わせ、たたいて選手を鼓舞する「黙援」だ。Jリーグのガイドラインで、声を出す応援行為は禁止されており、サポーターが肩を組み、声援でチームを盛り上げる「チャント」は封印した。

 当初は「応援が伝わっているか不安」「盛り上がれず寂しい」といった声もあったが、5月30日に天童市のNDソフトスタジアム山形で観戦した村山市楯岡湯沢、柴崎留維さん(25)は理解を示す。「ピッチ上の選手の声が聞こえてきたり、ハリセンで一体感が生まれたりと良いこともある」という。

バスの感染防止対策が記載された張り紙=山形市・山交バス営業所駐車場

■バス車内

 いわゆる「黙乗」を提案するのは、山交バス(山形市)だ。今年の2月からバス車内で静かな乗車を呼び掛けている。各路線で、会話を控えるお願いと車内の換気や消毒などの取り組みを周知。また、長時間乗る高速バスでは座席間にパーティションを設置している。山形―仙台の高速バスは、通勤通学を中心とした利用客がコロナ前に比べ半数近く減っているという。しかし同社は便数を維持し、車内の過密を防ぎつつ運行している。営業部の担当者は「公共交通機関を止めるわけにはいかない。安心して乗車していただけるように、対策を徹底する」と語った。

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