自宅でみとり、コロナ下に増 20年度、訪問看護ステーションやまがた

2021/6/17 12:35

 県看護協会訪問看護ステーションやまがた(山川一枝所長)がケアしている在宅療養者に関し、2020年度は自宅で亡くなったケースが死亡者全体の7割に上り、過去最も多い割合となった。新型コロナウイルスの影響で病院や福祉施設での面会制限を受け、患者本人や家族が自宅でのみとりを希望するケースが増えていることが背景にある。

 同ステーションは山形、上山、山辺、中山の各市町で訪問看護を担う。看護師19人、作業療法士3人、理学療法士1人が自宅を訪れ、がんや老衰の終末期、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの難病、医療的ケア児などに幅広く対応している。

 同ステーションによると、死亡により訪問看護が終了した理由は20年度が全体131件のうち、体調が悪化するなどして入院後に亡くなったケース(病院死)が38件(29%)、自宅で亡くなったケース(在宅死)が93件(71%)だった。19年度は122件のうち病院死が65件(53%)、在宅死が57件(47%)で、在宅でのみとりを選択するケースが感染拡大後に増えている。

 新型コロナの影響を受けて最期を過ごす場所や療養場所、治療法の選択などについて考え方も多様化しており、面会制限が行われている中で家族との時間をより重視する傾向が強まっているという。

 同ステーションの聞き取りでは、患者本人から「家に帰りたいが家族に負担がかかる」、家族からは「面会できないのはつらい」「自宅で介護できるだろうか」といった不安の声が寄せられているが、それでも自宅での療養を選択していることが分かった。

 訪問看護は日常生活のケアが中心。排せつや食事のほか、体を清潔に保ったり、動作を補助したりする。医師などと連携し、点滴など医療処置が必要な場合でも自宅で可能な限り療養できるよう調整する。山川所長は「病院側と訪問看護ステーションとの間で、退院時のカンファレンス(話し合い)や情報共有が一層重要となっている」とする。

 同ステーションでは患者が亡くなった後も家族と面会し、悲しみや喪失感に寄り添うことを重視している。山川所長は「在宅でのみとりを選択する傾向が強まっている中、県内の訪問看護事業所の多くはマンパワーの壁に当たっている。コロナ禍では訪問看護を担う人材確保が急務」と課題を口にした。

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