高齢者の免許返納が加速 なお多い重大事故「不安感じたら相談して」

2021/6/12 10:55

 県内で2020年に運転免許を自主返納した件数は5281件で、16年と比べ1.7倍に上ったことが11日、県警交通企画課のまとめで分かった。5千件を超えるのは2年連続で、7割以上は加齢などによる「身体機能の低下」が理由。高齢者が絡む重大事故が全国的に発生し、安全意識の高まりが返納につながっているとみられる。ペダルの踏み間違いが事故につながる割合も高く、県警は運転に不安を感じているドライバーや家族からの相談体制を整えている。

 県内の運転免許返納数は16年の3089件から増加傾向で、19年は5602件になった。20年はやや減ったものの5281件。年齢別に見ると、毎年75歳以上が約7~8割と大多数を占める。65歳未満は少ないが、ここ2年は160件を超えた。今年は3月末までの集計で1174件と前年同期よりも270件少ない。

運転する高齢者がアクセルとブレーキを踏み間違え、車が転落した=3月24日、鶴岡市(画像を一部加工しています)

 返納理由は「高齢などによる身体機能の低下」が最多で、昨年は4058件。県内では16~20年にブレーキやアクセルの踏み間違いによる事故が279件起きており、全ての事故に占める割合は64歳以下では0.8%だが、65歳以上だと2.2%と3倍近くに上昇する。

 今年3月には鶴岡市で80代女性が運転する乗用車が駐車場を出た後、車道を横切り正面のガードフェンスを突き破った。車は約4メートル下の河川敷に落下し、同乗していた女性2人が大けがをした。その後の調べで、ブレーキとアクセルの踏み間違いが原因と判明した。

 昨年県内で発生し、65歳以上が過失の割合が重い「第1当事者」となった事故は889件。このうち死亡事故は11件で全世代の死亡事故に占める割合は39.3%、重傷事故は120件、37.9%で、県内の運転免許保有者に占める高齢ドライバーの割合(20年29.8%)と比べても、重大事故における高齢者率は高い。

 県警は75歳以上への認知機能検査強化を受け、18年度から県総合交通安全センター(天童市)に医療系専門職を配置し、各警察署でも相談を受けている。近年の相談内容は▽脳梗塞▽除細動器の埋め込み▽てんかん▽認知症―の関連が約7割を占め、「高齢の親の運転をやめさせたい」という悩みも寄せられている。

 県警交通企画課の奥山祐管理官は「身体が衰えると運転操作ミスにつながり、交通事故を起こす可能性が高まる。少しでも不安がある場合は、センターや警察署、安全運転相談ダイヤル『♯8080(ハレバレ)』に相談してほしい」と話している。

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