オンラインゲーム・画面に向かう子どもたち(下) ゲーム障害、悩む保護者

2021/5/29 10:36
子供たちが熱中するオンラインゲーム。上手な楽しみ方について家庭などで話し合ってほしいと専門家は指摘する(写真はイメージです)

 オンラインゲームの人気が高まる中、世界保健機関(WHO)は2019年5月「ゲーム障害」を新たな依存症として認定した。日常生活よりゲームを優先し、学業や仕事などに重大な支障を来す症状が続くと、そう診断される。厚生労働省の委託を受けた病院が19年に全国の10~29歳を対象に調べ、回答した約5千人の8割が直近1年でゲームをし、うち半数が1日3時間以上プレーしていた。

 全国的にはゲームを制限する動きもある。香川県は、平日は1時間まで(学校休業日は1時間半まで)などのルール化を図る「ゲーム条例」を20年4月に施行した。努力義務で罰則はないものの、高校3年男子が憲法違反だとして県を提訴するなど反発が広がっている。同様の条例制定を目指していた秋田県大館市は、こうした動きを受けて議論を見送った。

 本県の教育現場でも懸念の声が上がる。村山地方の元小学校長の60代男性は「5年前ごろから深刻化していると感じる」と話す。親と一緒に深夜までゲームに熱中し、昼夜逆転の生活になっている4年生の男児もいたという。

 保護者にとっても、ゲームにまつわる悩みは切実だ。県消費生活センターに寄せられた相談は、19年に12件、20年に26件と倍増している。このうち未成年に関するものが半数を占める。親や祖父母のスマートフォンを使ってアイテムなどを勝手に購入し、高額な請求が届いたなどの相談が中心で、昨年は小学生以下が圧倒的に多かったという。担当者はコロナ禍での昨年5月の一斉休校が要因ではないかと指摘する。請求は数万~10万円に上る場合もあるが、不正請求ではないため支払わざるを得ない。

 子供のネット利用に詳しい山形大の加納寛子准教授によると、世界的に見て「eスポーツ」は貧困から抜け出す手段になるほど活況という。大会は日々開催され、日本の子供でも強くなれば賞金を得る機会はある。ただ、競争が厳しいのも現実だ。加納准教授は「ゲームとより良く付き合うには、目的や計画性をはっきりさせる必要がある」と指摘。ゲーム障害とeスポーツの分かれ目を認識するためのチェックリストも作成している。

 小学校でもタブレット端末の活用がスタートし、情報通信技術(ICT)を習得するための教育が進む。子供たちがモニターの向こうに、どんな世界を見ているのか? 「よく分からないから」と距離を置いていては、付いていくのがどんどん難しくなりそうだ。

アンケートを行います

 寄り添うぶんちゃん取材班はインターネットの利用に詳しい山形大学の加納寛子准教授と協力し、読者へのアンケートを行います。小中学生の親子向けと高校生以上向けの2種類で、スマートフォンやパソコンから5分程度で答えられます。回答後、ゲーム障害の危険度が点数化されます。アンケートで収集した個人情報や回答は研究・取材の用途にのみ使用します。

 さらに、子どもを巡るゲーム環境などの悩みや意見を募集します。公式LINEのほか、ファクス023(641)3106、〒990―8550山形市旅篭町2の5の12 山形新聞「ぶんちゃん取材班」係まで

(1)小中学生の親子向けアンケート

(2)高校生以上向けアンケート

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