愛されて70年、山形のシバタモデル月末閉店 常連の村山さんが“継承”、秋に新店舗

2021/5/28 11:33
閉店が迫る店舗を見つめる柴田士朗社長=山形市・シバタモデル

 山形市の山形駅前大通りにある「シバタモデル」が今月31日、70年余りの歴史に幕を下ろす。プラモデルや鉄道模型、モデルガンなどのマニアがこぞって通う人気店だった。柴田士朗社長(71)は「華のあるうちに終わりたい」と語る。閉店を惜しむ声が上がる中、常連客だった男性は今秋、市内に新しいホビーショップを開店すべく準備を進めている。

 シバタモデルは1950(昭和25)年、士朗社長の父親で初代社長の故柴田冨太郎さんが同市旅篭町で模型店を始めた。その後、2代目の兄一宇(かずいえ)さんが亡くなり、四男士朗さんに引き継がれた。JR山形駅構内や同市あかねケ丘に出店、旅篭町には展示施設も設け、全盛期は4店舗を展開した。しかし、大型玩具店の進出に伴って縮小。香澄町1丁目の現店舗だけが残った。コロナ下の巣ごもり需要で売り上げは伸びていたが、後継者がいないことや香澄町店が開業50周年、柴田社長が70歳の古希を迎えた節目に閉店を決めたという。

 閉店まで5日と迫った26日、柴田社長は在りし日を思い出していた。十字屋山形店の屋上でラジコン大会を開いたり、あかねケ丘でミニ四駆の大会を開催したりしたころ。「昔、通っていた子が親になって、子どもを連れてきてくれるとうれしくてね。長く続けてきて良かった」。店内には、参加者が笑顔を浮かべる集合写真が今も飾られている。

思い出のプラモデルを手にする村山泰士さん=山形市

 そんな柴田社長を慕い、新しくホビーショップを始めようとする常連客の男性がいる。20年以上前から通う自営業村山泰士(やすひと)さん(34)=同市高堂1丁目=だ。一番の思い出は小学2年生の頃、あかねケ丘のラジコンセンターで毎日のようにミニ四駆を持ち寄り遊んでいたこと。大学進学を機に上京したが、2年時に父親を亡くし、家業を手伝うため帰郷した。シバタモデルへ行くと「柴田社長は父親のように温かく受け入れてくれた」という。

 閉店の報に強い衝撃を受けた村山さん。「シバタモデルのように愛される店を残したい」と新店舗は寿町(シベール跡地)で、今年9月にプレオープンする予定だ。シバタモデルの名物店長浜田武人(たけひと)さん(56)も共に働いてくれる。

 村山さんに柴田社長は「浜田店長と協力して、店と共に成長してほしい」とエールを送る。シバタモデル最後の日、柴田社長はセレモニーなどは行わず、いつも通り、レジで一人一人のお客さんに感謝を述べるつもりだという。

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