オンラインゲーム・画面に向かう子どもたち(中) 飛び交う暴言、仲間外れ

2021/5/28 10:02
小学生を中心にオンラインゲームが人気だ。それぞれの自宅から友達と通話しながら楽しめる=山形市(写真はイメージです)

 追え、囲め、殺せ―。人気オンラインゲーム「フォートナイト」に熱中する子供たちから飛び出す言葉に、ぎょっとする。それぞれの端末から参加する100人が4人チームなどを組み、生き残りを懸けて殺し合う。ゲームにプログラムされたキャラクターを倒すのは昔の話で、今の主流は誰かが動かしているキャラと戦う。いわば仮想空間における対人決闘だ。

 村山地方の小学6年の男児はプレー中、同級生から「雑魚(ざこ)」「死ね」と罵声を浴びた。きつい口調で繰り返され、冗談とは思えなかった。チームプレーで遅れを取ったりすれば「使えない」とさげすまれる。チーム内対戦では、集中攻撃やリスキル(復活後にすぐ倒される)もされた。「やめてと言ってもやめてくれなかった」。泣いてしまうと、ヘッドホンの向こうで笑い声が響いた。男児は、このゲームとも同級生とも距離を置いた。

 最初は学校の仲良し友達と2人でゲームを始めた。友達が他の同級生を誘い、その中の1人が男児をターゲットにするようになった。後で加わったメンバーも流れに乗った。仲良しだった友達も男児をばかにするようになり、今は口も利いていない。

 動画サイトではゲーム上級者が荒い口調で敵をなぎ倒す配信が人気だ。仮想空間の敵は本来見知らぬ人でトラブルは生まれないが、コミュニティーが狭い子供は現実の世界が重なり、人間関係を崩しかねない。男児の母親は「自粛生活でゲームをやり過ぎたのかもしれない」と語り、楽しみを奪わずにうまく付き合う方法を模索している。

 一方、ゲームを習い事として教える家庭教師サービスを提供するゲムトレ(東京)の小幡和輝代表(26)は、チームで戦うゲームは実力差があるとトラブルも起きかねないと指摘する。ゲームを進める上で人数が合わなければメンバーから外す「キック」も、仲間外れなどの意識がなくても起こり得る。ゲーム内には「チート」などの不正や悪質行為を運営側に通報できる仕組みもある。

 飛び交う暴言について、小幡代表は「ゲームだけのせいではなく、どんな人と一緒にプレーするかによる」と説明する。トレーニング中に目に余る場合があれば子供を注意するという。動画サイトのゲーム実況に加え、周囲の大人の影響を受けている可能性も示唆する。

 ゲームのプロとして活動する山形市の高校3年、小清水光さん(17)も、チーム内で意見が衝突したり、語気が強くなったりすることもあると明かす。しかし、それは皆勝ちたいが故。子供たちには「ゲームは楽しむためのもの。割り切って、気持ちを引きずらないことが大事」と、ゲームの世界に入る際の心構えをアドバイスした。

アンケートを行います

 寄り添うぶんちゃん取材班はインターネットの利用に詳しい山形大学の加納寛子准教授と協力し、読者へのアンケートを行います。小中学生の親子向けと高校生以上向けの2種類で、スマートフォンやパソコンから5分程度で答えられます。回答後、ゲーム障害の危険度が点数化されます。アンケートで収集した個人情報や回答は研究・取材の用途にのみ使用します。

 さらに、子どもを巡るゲーム環境などの悩みや意見を募集します。公式LINEのほか、ファクス023(641)3106、〒990―8550山形市旅篭町2の5の12 山形新聞「ぶんちゃん取材班」係まで

(1)小中学生の親子向けアンケート

(2)高校生以上向けアンケート

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