第1波の状況分析、家庭内感染が4割超 県衛生研、変異株拡大「対策の徹底が重要」

2021/5/18 10:47
新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 新型コロナウイルスの県内流行第1波(2020年3~5月)の感染状況を分析した結果、家庭内での感染割合が4割以上を占めていたことが分かった。現在、県内では感染力が強いとされる変異株が近親者などの間で急拡大しているとみられ、調査に当たった県衛生研究所(山形市、水田克巳所長)は「第1波の特徴を踏まえ、家庭内での感染防止の徹底が重要」と強調する。

 県内での第1波は、初めて感染者が確認、公表された昨年3月31日から5月上旬までで、感染者は累計69人に上った。最上地域の福祉施設や置賜地域の食品工場でクラスター(感染者集団)が発生し、東京からの帰省など県外から持ち込まれて広まったケースが多かった。

 同研究所は県内五つの保健所の協力を得て第1波の感染経路や広がりなどを考察し、結果を公表した。感染者69人のうち、61人で感染者間のつながりが特定できた。割合は88%に上り、全国的にも高い数値だった。水田所長は「保健所が徹底して感染者の行動歴を調査し、しっかりと追跡できた成果」と話す。

 感染者間のつながりをたどると、家庭内感染が最も多かった。69人のうち全体の43%に当たる30人が家庭内で感染したと推定された。さらに家庭内感染が職場に広がった事例が四つあり、そこからクラスター発生につながったケースもあった。働き盛りの成人が、家庭から職場に感染を広げてしまったという。

 新型コロナは無症状でも感染を広げる恐れが指摘されているが、感染の起点となったとみられる19人のうち18人が発熱や倦怠(けんたい)感、のどの痛みといった症状を抱えていたことも明らかになった。体調が悪い際は、人との接触を控え、静養するなどの判断が大切だ。

 水田所長は「第1波は感染防止への対応が徐々に分かり始めていた時期。県内では家庭内感染が多い傾向にあったが、今もその傾向は続いている」とする。その上で「家の中で常にマスクを着けたり、部屋の空間を区切ったりするなどの対応は難しいかもしれないが、高い意識での取り組みが求められる」と話した。

 同研究所は今後、変異株が感染拡大に及ぼしている影響なども分析していく。

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