訪問診療、減る稼働率 県歯科医師会診療所調査、口腔ケアのキャンセル最多

2021/5/17 11:09

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 県歯科医師会(冨田滋会長)が新型コロナウイルスの感染拡大の影響を把握するため、会員診療所を対象とした訪問歯科診療に関するアンケート調査の結果をまとめた。新型コロナ発生以前の診療状況と比べて、昨春の流行期には7割の診療所で訪問稼働率が減少したと回答し、キャンセルがあった診療内容は口腔(こうくう)ケアが最多だった。感染リスクを懸念し、定期的な口腔ケアが後回しとなった実態が浮き彫りとなった。

 調査は、県歯科医師会に所属する県内の457診療所に協力を依頼し昨年4、5月の流行第1波の感染拡大期の影響を尋ねた。110カ所(回収率24.07%)から回答があり、このほど調査結果をまとめた。

 訪問歯科診療に関して、「実施していない」との回答が51%、「実施した」は42%で、コロナ下でも実施した割合は約4割にとどまった。「従来から行っていない」4%、「諸事情で実施できなかった」は3%。さらに「実施した」診療所の約7割が、新型コロナの発生前に比べて稼働率が減ったと答えた。同会は「不要不急を控える用事の一つに訪問歯科診療が入ってしまい、キャンセルが目立った」と分析している。

 訪問予定先からのキャンセルの有無に関しては「ある」が54%、「ない」が46%と半数の診療所でキャンセルを経験した。キャンセルされた診療内容(複数回答可)は最多が口腔ケアの21件。入れ歯などの修理・調整が9件、歯周疾患の処置が8件と続いた。口腔ケアは感染症の予防に有効とされ、口の中が不衛生だと細菌性の肺炎リスクも高まるとされる。

 同会によると、県内での流行第3波の際にも、介護施設などからの訪問歯科診療のキャンセルは相次いだという。冨田会長は「口腔ケアや歯周病の治療を中断させてはいけない。かかりつけ歯科医は万全の感染防止対策を徹底しており、安心して定期的なメンテナンスを受けてほしい」と呼び掛けている。

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