「青菜」で未来築く 山形・神保さん、若手農家の挑戦

2021/5/13 14:42
山形青菜の伝統を守ろうと活動する神保拓磨さん。現在はキュウリの収穫が最盛期を迎えている=山形市飯塚町

 山形市飯塚町の若手農家神保拓磨さん(27)が、インターネット上で本県の伝統野菜「山形青菜」の魅力を発信するプロジェクトを展開している。「伝統を後世につなぐため、まずは自分のファンを増やしたい」と、現在はキュウリやトマトの栽培、販売に力を入れる。「(いずれは)青菜漬けの加工場を作りたい。土作りから食卓まで全て手掛けたい」と夢を語る。

 神保さんは県内で介護士として働いていたが、2015年に退職。水田1ヘクタール、ハウス0.5ヘクタールで農業を営む母方の祖父義次さんの仕事を手伝うようになった。「植物に触れ、心がほぐれていくのが分かった。野菜作りも自分に合っていた」と振り返る。

 昨年秋、農閑期の収入源にしようと青菜栽培を始めた際、携わる若手農家が少ないことを知った。「伝統野菜を絶やしたくない。神保家の歴史も農業も継ごう」と決めた。義次さんに伝えると「んだが、よろしく頼む」と涙をこぼしたという。その数カ月後、事業を継ぐため養子に入る手続きを目前にして義次さんは85歳で急逝した。

 神保さんは「名字の変更にじいちゃんから立ち会ってもらいたかったなあ」とつぶやきながらも、秋に種をまく青菜へと意識を傾ける。「青菜のおかげで『神保家で農業をしていこう』と思えた。若い世代や県外の人たちに魅力を伝えていきたい」と意気込んでいる。

 プロジェクトは農家を継ぎ、青菜を後世に伝えるという強い思いから、「ステップちゃいるど」(英語で継子の意味)と名付けた。現在は83歳の祖母と共にキュウリの収穫を行っており、間もなくトマトの出荷も始まる。

 野菜は「つなぐきゅうり」などの商品名で、同市のJAやまがたおいしさ直売所各店で販売。プロジェクトの詳細はホームページ(https://www.stepchild.jp/)で紹介している。

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