地域の心つなぐオリジナルソング作る 最上町有志「絆づくりプロジェクト」

2021/5/10 12:25
オリジナルソング「音の風になろう」に込めた思いを広めようと製作したプロモーションビデオの一場面。新庄北高最上校で撮影した

 人口減少に伴い集落の空洞化が続く中、住民同士の絆を共同作業を通して強めようと、最上町の有志が「音の風絆づくりプロジェクト」を立ち上げ、オリジナルソング「音の風になろう」を作った。未就学児から80代までの68人が、楽曲の制作や練習を通して交流。町民の新たなつながりを生む機会になったようだ。

 東日本大震災発生後、同町でも被災者が避難生活を送った。「歌を歌って前を向きたい」との声が避難者からあり、町民と「町コーラス隊」を結成。被災地でコンサートを開くなどした復興支援活動「音の風プロジェクト」を進めていた声楽家の池田弦さんが指導し、歌声を披露してきた。避難者の減少に伴いコーラス隊は町民だけになり、活動の方向性は徐々に地域づくりに転換していった。

 プロジェクトはそのコーラス隊が中心となった。2016年に48歳で急逝した池田さんの遺志を引き継ぎ、さらにその教えを深化させようと荘内銀行のふるさと創造基金などを活用し、19年に立ち上げた。池田さんの詩を基に、1、2番の歌詞をメンバーが考え、3番はプロジェクトの未来をテーマにして単語を持ち寄り、ワークショップで決めた。主旋律とパート譜はメンバーで考え、池田さんの母であるバイオリニスト敏美さんらが手助け。昨年7月末に完成した。新型コロナウイルスの流行状況を見極めて今後レコーディングを行う。

 活動には近年、定員割れが続いている新庄北高最上校の活性化という目的もあった。プロジェクトに込めた思いを広めようと、県内高校の中でも校舎が美しいと言われている同校を舞台に、オリジナルソングのプロモーションビデオ(PV)を撮影。PVとは別に、プロジェクトの活動過程などを紹介する動画を同校生徒が製作した。3年吉田愛海(あいみ)さん(17)は「人見知りする性格なので最初は不安だった。知らない人といい関係を築くことができた」と振り返った。

 プロジェクトの狙いや経過を文章にまとめ、PVなどをブルーレイに収めて封入した冊子を200部発行した。プロジェクトを先導した同町向町、町社会福祉協議会常務理事伊藤勝さん(62)は「新型コロナの影響などで、大人と子どもが接する機会が目に見えて減っている」と危惧する。「さまざまな世代が同じ目線で楽曲を作ることができた。今後はコンサートという形だけでなく、地域づくりという大きな視点でどんな活動ができるか考えたい」と語った。

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