“無分別”に集まる火種 山形・ごみ処理施設で火災続発

2021/5/10 11:36
プレスされた金属塊から発煙が確認され、手作業で原因物を取り除く職員=山形市・立谷川リサイクルセンター

 山形市のごみ処理施設で火災が相次いでいる。原因物の多くは正しく廃棄されていない電子たばこやモバイルバッテリー、携帯電話など。同市漆山の立谷川リサイクルセンターでは、充電式の機器に内蔵されているリチウムイオン電池の発火や発煙事故が急増し、業務に支障を来している。処理業者は雑貨品・小型廃家電類と、電池類が含まれる水銀含有ごみの分別徹底を呼び掛けている。

 立谷川リサイクルセンターで先月14日、トラックの荷台から火災が発生。火元はリチウムイオン電池だった。同施設によると昨年度の発火・発煙事故は286件で、5年前から増え続けている。原因の大半を占めるのが、雑貨品・小型廃家電類として捨てられた加熱式たばこやモバイルバッテリーに含まれるリチウムイオン電池だ。過度な衝撃が加わることでショートして熱を持ち、火が出る場合がある。火災が起きるとセンターの復旧まで時間がかかるため、最悪の場合、一定期間ごみの処理ができなくなるという。

 同センターでは2年前から、火災を未然に防ぐ手作業の分別(ピックアップ回収)に力を入れる。5人の作業員が1日当たり約4トンの雑貨品・小型廃家電類ごみを手作業で分別しているが、リチウムイオン電池が含まれた家電が平均30個、多いときは50個見つかるという。

 作業員の負担は大きい。プレスされたアルミ缶からの発煙も日常茶飯事で、職員は原因物を探すための作業に追われるほか、鋭利な鉄くずで手をけがすることもあるという。業務にあたる山形環境保全協同組合の江口友人次長は「全てのごみを点検するのは難しい。火災をなくすには各家庭での分別が必要」と訴える。

 リチウムイオン電池が含まれる家電について、正しい処理方法の周知にも努めているが、認知されていないのが現状だ。山形市では透明な袋にまとめ、月1回指定された日にごみ集積所に出すルール。この際スプレー缶ごみと袋を分けることも忘れてはいけない。また小型充電式電池のリサイクルを推進する一般社団法人JBRCのホームページでは、リチウムイオン電池の回収を行っている家電量販店やホームセンターが紹介されている。電池を内蔵しているかどうかは、リサイクルマークを目印にしてほしいとしている。

 同センターの丹野隆広所長は、新型コロナウイルスの影響でごみの持ち込みが増えているといい「搬入量が多い時期は施設内での火災対応にも限界がある。正しい廃棄に理解、協力いただきたい」と語った。

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