ワイヴァンズ、流れ乗り切れず敗退 プレーオフ準々決勝第2戦

2021/5/10 09:19
PO準々決勝に敗れて今シーズンが終わり、健闘をたたえ合う選手

 バスケットボール男子・Bリーグ2部東地区のパスラボ山形ワイヴァンズは9日、群馬県の太田市運動公園市民体育館で群馬とプレーオフ(PO)準々決勝第2戦を行い、60―79で敗れた。山形は2連敗で準決勝進出を逃し、今季全試合を終えた。

 山形はアンドリュー・ランダル、中島良史、川辺亮平、キース・クラントン、河野誠司が先発した。第1クオーター(Q)は守備リバウンドから流れをつかみ、相手の攻撃を抑え1点リードで終えた。第2Q終盤に3点シュート2本で逆転を許し、28―31で後半へ。第3Q序盤でアンドリュー・ランダルを中心に攻め込み再逆転したが中盤以降、群馬が外国人選手の連続得点で勝ち越し、突き放された。

 アンドリュー・ランダルが14得点、川辺亮平が11得点だった。

【評】山形は好守で生んだ流れに乗り切れなかった。前半の守備リバウンド数は群馬と互角。相手ゴール下でボールを受けた外国人選手には複数で粘り強く対応した。外角から積極的に得点を狙ったが、3点シュート成功率31%と思うように加点できずに折り返し、第3Qに勢いづいた群馬に突き放された。

【マッチアップ】全員守備で粘った―攻撃の成熟期待

〈群馬―山形〉第3Q、シュートブロックを狙う山形のキース・クラントン=群馬県・太田市運動公園市民体育館

 前半のチームディフェンスこそ山形の真骨頂だ。リーグトップの攻撃力を誇る群馬を31点に押さえ込んだ。だが前日同様に攻め手を欠き、つかみかけた主導権を明け渡してしまった。修正できた守備と、できなかった攻撃。河野誠司主将は「今のチームに何が必要なのかがわかった。POでの2試合は必ず来季につながる」と前を向いた。

 第1戦は序盤の連続失点で出遅れたが、この日の選手たちは出だしから集中力が高かった。高さのある日本代表のマイケル・パーカーや外国人選手を同時出場させられる群馬。熟知し合った流動的な動きに対し、山形は粘り強くマークした。「個人で守るのが難しい相手でも、よく声を掛け合いながら全員で守れた」と川辺亮平。決定的な場面に全員で手を伸ばしてブロックショットを決め、ルーズボールを奪い取った。

 ランス・グルボーンを中心に守備リバウンドをしっかりと拾い、リズムが生まれ、第1Qはリードする時間が続いた。グルボーンは「持ち味の守備で勢いをつけられた」。第2Q前半では追い付かれても守備から立て直してリードを守った。主導権を握れそうな時間が長かっただけに、攻撃の手詰まりが悔やまれる。インサイド攻撃は単調で、数多く放った3点シュートも脅威を与えるまでの精度はなかった。あうんの呼吸で軽やかにリングに迫った群馬のように、来季の山形には攻撃の成熟も期待したい。

 勝敗を決定的にしたのは、第3Qに守備のわずかな隙を突かれての連続失点。確かな手応えをつかんだ一方で、地力の差を痛感した初舞台だった。河野は「チームが上のレベルに行くには、この守備をさらに磨くことが必要」とさらなる研さんを誓う。

 リーグ戦とは大きく違う雰囲気と重圧の中で、リーグトップチームと戦った濃密な2試合。川辺は最後に力強く言い切った。「来季またPOに行きたい。次に同じような状況になったときに、きっとこの経験が生きてくる」

成長できたシーズン

 ミオドラグ・ライコビッチヘッドコーチの話 ディフェンスでいい展開に持っていくことができたし、これまでやってきたことを示すことができた。選手たちは本当に努力を重ね、そしてその努力以上のものを示してくれた。とても成長できたシーズンだった。

駆け付けたファン、熱い応援最後まで

試合を終えて引き上げる選手に拍手を送る山形のブースターら

 群馬側の応援が鳴り響く圧倒的アウェー状態の中、山形ワイヴァンズを応援しようと駆け付けた50人以上のブースター(ファン)は最後まで選手を鼓舞し続けた。コロナ禍で声を出した応援ができない状況でも、山形の得点や好プレーに大きな拍手を送った。

 2日間、試合を見届けた山形市旅篭町2丁目の会社員丸山浩司さん(49)は守備の手応えを口にしながらも「最後は向こうが上だった」と脱帽。「相手ブースターに負けないように応援した。チームとしての形がかなりできてきた。来季は上位でPOに出て、目標の1部昇格を果たしてほしい」と期待を語った。

 河野誠司主将のファンで、2季前から山形を応援しているという千葉県柏市の会社員高橋未紀さん(39)は「(最下位だった)昨季の苦しい時期を経て、今季の積み重ねが結果につながり素晴らしい。POに勝ち進んで、1分1秒でも長く応援できたことが幸せ」。最後まで諦めずに戦った選手たちに感動しきった様子だった。

 試合を終えた選手は観客席に一礼。惜しみない拍手を送るブースターに、手を振って感謝を伝えていた。

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