米沢灯篭流し、40年の歴史に幕 運営厳しく、コロナ禍決定打

2021/5/9 11:11
約40年間続いた「米沢灯篭流し」の歴史を振り返る、右から戸田弘会長と遠藤史郎さん

 米沢市の夏の風物詩として約40年続いてきた「米沢灯篭(とうろう)流し」が、2019年の開催を最後に終了することになった。新型コロナウイルス感染症の影響で昨年は中止となったが、実行委員の高齢化などもあり、今年の再開を断念し、活動を終えることにした。実行委員会の戸田弘会長(85)=同市城西2丁目=は「非常に残念だが、これまで多くの人の協力で続けられたことに感謝したい」と話している。

 毎年8月16日の夜、市内中心部を流れる堀立川に先祖を供養する灯篭が流される。堀立川橋から文殊橋までの間、約600メートルをゆっくりと流れ、周囲には米沢仏教興道会青年部の僧侶の読経が響く。

 1981(昭和56)年から、地元住民有志の実行委員会によって続けられてきた。企業や市民に協賛金を募り、灯篭の舟を流した。灯篭の数は20年ほど前の最盛期には800基を超えたが、近年は400基程度まで減っていた。備品の老朽化もあって資金面の負担は重く、実行委員の世代交代も進まなかった。

最後の開催となった第39回の「米沢灯篭流し」。大小の灯篭が水面に漂う=2019年8月16日、米沢市

 昨年は5月時点で開催中止を決定。運営を取り巻く現状の厳しさに加え、コロナ収束の見通しが立たないことが決定打となり、活動自体の終了を決断した。今年4月、関係者に向けて「活動終止」を伝える手紙を送った。

 最後の開催となった2019年は第39回。39年の間には、雨による増水のために川沿いに灯篭を並べて読経をしたこともあったが、毎年休まず続けられた。灯篭がスムーズに流れるよう、地元住民は清掃を行い、河道整備や水流調整に県や市も協力していた。

 20年近く会長を務めた戸田会長は「40周年、40回目は何とかやりたかった」と肩を落とす。それでも「皆さんが協力的でありがたかった。何も事故なく終えることができたのは良かった」と話す。実行委員会発足当初から庶務、会計を担当する遠藤史郎さん(81)=同市松が岬3丁目=も「もっと続けたかったのが本音だが、ホッともしている」と話した。

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