船凍イカ本県船団、荒波の中を来月出港へ 違法操業減少もコロナ禍で流通量減

2021/5/7 15:00
違法操業による漁獲量減少から立ち直る一方、コロナ禍による需要減少の影響を受けるイカ漁が6月に始まる=昨年7月23日、酒田市・酒田港

 本県漁業の主力の一つである船凍イカは北朝鮮などの違法操業の影響による漁獲量減少から立ち直りつつある一方、新型コロナウイルスの感染拡大による流通量減少に直面している。コロナ禍の影響も受ける船団は来月、再び大海原に船出する。

 県漁業協同組合によると、2020年度の水揚げ数量は1184トンで、前年度の1.4倍まで漁獲量が回復した。ただ水揚げ額は前年度比1913万円減の8億1440万円。数量が増加した一方、需要が減少したことが要因という。

 本県で水揚げされる船凍イカは、酒田港を拠点とする中型イカ釣り船団が日本海の好漁場・大和堆(たい)や武蔵堆などで漁獲し、船上で急速冷凍させたスルメイカ。イカは1年で一生を終える年魚で、違法操業などの人為的な要因の他、回遊ルートや海水温の変化で漁獲量が左右される。

 近年は大和堆で北朝鮮や中国の違法操業が横行。品質や資源を維持するため日本の船団が一本釣りで取るのに対し、流し網で根こそぎ漁獲する手法も問題視され、漁獲量への影響が懸念されていた。昨年度、中国漁船は確認されたものの、北朝鮮の違法操業は減ったという。

 数量は回復基調だが、新型コロナの影響もあり、20年度の1ケース(8キロ)の単価は前年度比2168円減となる5502円だった。「数量が増えて単価が落ちた面もあるが、大きいサイズは外食の需要減で影響を受けた」と県漁協の担当者。感染拡大状況の推移によっては、今季も影響を受けかねない。また、漁業関係者は「海の上では公船を伴って違法操業する中国漁船が新たな脅威となっている」と話す。

 違法操業に続き、コロナ禍という荒波の影響を受ける本県船団。厳しい状況の中、来月6日前後の出港を予定している。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]