奪われた「大事な日」 GW中の成人式、延期や出席制限相次ぐ

2021/5/2 10:59
式の出席者が少なく、「大人の仲間入りをする大事な日に関わることができない」と残念がる小川久子さん=白鷹町

 新型コロナウイルスの感染拡大により、大型連休中に県内で予定されていた成人式は日程が延期になったり、出席者が県内在住者限定になったりした。着付けやヘアメークを担う呉服店や美容室では予約のキャンセルが出ている。一部自治体はレンタル着物のキャンセル料などを補助するが、店からは困惑や新成人を思いやる声が聞かれる。

■救済案用意

 2020年度式典を2日に開く山形市は、開催8日前に県内在住者限定と発表した。呉服店「布施弥七京染店」は振り袖に100件弱の予約が入っていたが、県外在住者など3分の1がキャンセル。「友達が出席できないから」と出席をやめた県内在住者もいた。布施将英専務は「着付けのスケジュール、人員配置は決まっていたが、組み直さなければ」と話す。レンタルの場合、1週間前のキャンセルは規約で返金対応にならないが「道義的にいくらかお返しする」。一方で、次回振り袖レンタルの無料化、卒業式用はかまの無料レンタルの選択肢も用意し、着物を着て思い出をつくってもらう救済案も勧めている。

 同市で美容室を経営する女性は「成人式は久々に友人と会うのが目的で、オンライン配信は意味がない。再会の機会を奪われた人がかわいそう」とおもんぱかる。キャンセルは数件にとどまり「補償はいらない。感染が落ち着くまで延期した方が良かった」とした。

■支援を切望

 2度の延期を経て2日に開かれる20年度の白鷹町成人式。町は参加を県内在住者に限定し、対象133人のうち出席予定は4月30日時点で17人のみ。「ヒサエー美容室」を営む小川久子さん(83)は「予約は女性1人の着付けだけ。言葉にならない」とため息をつく。コロナ前は例年、町内外の男性20人弱からはかまの着付けで依頼があり、「大人の仲間入りをする若者を送り出す。商売抜きで大事な日なのに」。21年度の行方も不透明で、関連産業に対する支援の充実を切望した。

 大江町の20年度成人式は2度の延期を経て3日にオンライン開催となった。例年は夏季に行われ、女性はドレスを着ることが多い。式は実行委と来賓のみ出席する。実行委の山形大4年安藤千尋さん(21)は「ネット通販でドレスをレンタルした。みんなで集まれないのは悔しい」と話した。

 グランドビューティーサロン鳩(米沢市)は近隣市町を含め約40人の予約があり、4日は米沢市の21年度成人式限定で営業予定だったが、式は延期に。多くが予約も延期してくれ、キャンセルは10人もいないが、「天災だから」とキャンセル料は受け取らない。既に着物を持ち込んでいた人もおり、佐藤エミコ代表は「中止にならず良かったが、もう少し決定が早いと助かった。コロナが収束し延期した自治体も無事に開催できれば」と願った。

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