寒河江・西村山、地元で激走 県縦断駅伝第2日

2021/4/29 08:42

 第65回県縦断駅伝競走大会(山形新聞、山形放送、山形陸上競技協会など主催)は第2日の28日、新庄―長井間の10区間111.7キロでレースを行い、序盤で首位に立った寒河江・西村山が猛追する南陽・東置賜を振り切り、5時間52分52秒で頂点に立った。

 初日優勝の南陽・東置賜は42秒差の2位。3位には終盤に追い上げた鶴岡・田川が食い込んだ。4位以下は酒田・飽海、山形、天童・東村山、上山、新庄・最上、北村山、米沢、長井・西置賜。

 第1日と合わせた総合成績は1位が南陽・東置賜、2位が鶴岡・田川でその差は8分18秒。3位に酒田・飽海が続く。以下は寒河江・西村山、山形、天童・東村山、上山、新庄・最上、北村山、米沢、長井・西置賜となっている。(本紙取材班)

 【評】主力を相次いで投入した寒河江・西村山の積極策が奏功した。全員が区間4位以内で走り、長丁場だけでなく、つなぎの区間でも崩れない安定したレース運びを展開。終盤は競り合いをものにする勝負強さが光った。スタートで出遅れた南陽・東置賜は実業団勢や力のある社会人が奮闘したが、あと一歩届かなかった。序盤で波に乗れなかった鶴岡・田川は中盤以降の堅実なたすきリレーで順位を押し上げた。

17区、拍手を送る沿道にガッツポーズで応える寒河江・西村山の杉沼聖平(スガタ商事)=寒河江市

戦力融合、振り切った

 【いだてん】寒河江・西村山が悲願を成し遂げた。序盤で生んだ勢いは、地元の応援を受けてさらに加速。ベテランと若手が融合したチームは最後まで粘り強いレースを見せた。志田学監督は「第1日の4位で自信を持って臨めた。予想以上の走りだった」。意地を見せた選手たちを褒めちぎった。

 18区の寒河江中継所を首位で通過して逃げ切る、想定通りのレースになった。13区(舟形―尾花沢)、荒井雄哉(山形環境エンジニアリング)の快走で首位に立ち、チームは独走態勢に入った。1分28秒差で17区(天童―寒河江)を走る主将の杉沼聖平(スガタ商事)にたすきが渡された。区間終盤には自身の勤務先の前へ。今大会は声援が送れず、それならばと同僚たちは横断幕やうちわを用意して会社の前に立っていた。「一番苦しいところで皆さんに何度も力をもらった」。沿道にガッツポーズし、感謝を伝えた。

 20区(朝日―白鷹)に入ると南陽・東置賜の猛追を受けた。佐藤拓夢(山形ミートランド)は「少しでも前に出て1位でつなぎたいという思いだった」。抜きつ抜かれつの展開の中、6秒差を守り、星川裕貴(同)の待つ21区(白鷹―長井)へ。「1位でもらった以上、勝つしかないと思った」と星川。前回大会に同走して敗れた南陽・東置賜の遠藤正人(南陽市役所)相手に、一気に差を広げてゴールテープを切った。

 第2日の優勝は19年ぶり。杉沼は「ずっとチームの目標だった」と優勝への思いを語る。荒井ら力のある若手が加わり「ベテランも触発され、いい雰囲気が生まれた」とも。2日間の奮闘で総合順位は4位につけた。志田監督は「総合成績で上位に食い込み、当初目標の総合5位を達成したい」と意気込んだ。

初日の頑張りあればこそ

 寒河江・西村山 志田学監督 第2日の優勝は初日の頑張りがあったからこそ。チーム力が向上して、選手たちは自信を持って大会に臨むことができた。最終日もいい流れをつなぎ、接戦で粘りを見せて総合順位で上位に食い込みたい。

9位から2位に順位を押し上げた南陽・東置賜の田中楓(左、NDソフト)=尾花沢市

南陽・東置賜、総合Vへ前進

 【ハイライト】目先の戦いで負けたが、同時に戦略的勝利を得たと言ったところだろうか。初日に続いて2日目も優勝を狙った南陽・東置賜だったが、今大会、台風の目となっている寒河江・西村山が立ちはだかり2位に終わった。総合優勝の観点で見れば2位の鶴岡・田川に8分18秒差。初日の48秒差から大きく広げ、総合9連覇に王手をかけた。故にレース後、小野正晃監督の表情は複雑だった。「まずは前進。でも勝ちたかった」。

 作戦通りの展開だった。じわじわと順位を上げ、最終的にアンカーの遠藤正人(南陽市役所)がゴールテープを切ればいい。問題は、どの時点でトップに立つかだった。小野監督の構想は19区(大江―朝日)だ。そして「遠藤にたすきが渡るころには1分台の差が付いている」。これが勝利の方程式だった。期待に応え13区(舟形―尾花沢)の田中楓(NDソフト)が9位から2位に順位を押し上げた。

 作戦にずれが生じた。寒河江・西村山をとらえたのは20区(朝日―白鷹)の光武洋(同)。中継所手前で佐藤拓夢(山形ミートランド)の真後ろにつき、競り合いになった。追いつくために足を使った光武は不利だった。足がつり、スピードダウン。それでも気迫でたすきをつないだ。総合9連覇を目指す執念がここで発揮された。

 初日、2日目ともにハラハラする展開だった。それを意識してか小野監督は最終日の展開について「地元入りするので序盤からトップを維持したい」。横綱相撲での勝利を予告した。

鶴岡・田川の20区後藤拓馬(右、オリエンタルモーター)がたすきを受けて走り出す=朝日中継所

36歳発奮、鶴岡・田川3位

 【ナイスラン】2日連続で鶴岡・田川のベテランが存在感を示した。起伏の激しい20区(朝日―白鷹)で後藤拓馬(オリエンタルモーター)が区間2位の激走。終盤にチームを3位に浮上させ、「単独走になったとしても自分のペースを刻もうと臨んだ」と気概を示した。

 第1日は同じ終盤の9区(古口―升形)で区間2位と上位入りに貢献したものの、設定タイムには届かず、本人にとっては「汚名返上」の舞台に。松浦太郎(山梨学院大)からたすきを受け取った時には、もう前しか見ていなかった。1キロ地点で一気に抜き去り、勝負どころの難コースで勢いづけた。

 奥泉伸監督が「若手に花を持たせてくれる」「陰で支えてくれる」とたたえる36歳は、今大会で出場16回目。若手の活躍が目立つようになったチーム内でも、年長者の経験が欠かせない。全ての走りを終え、仲間たちに「実力を出し切ってほしい」とエールを送った。

4位でゴールに飛び込む酒田・飽海のアンカー柴田翔(石井製作所)=長井市役所前

酒田・飽海、粘走4位

 ○…我慢のレースを覚悟していた酒田・飽海は、最終21区(白鷹―長井)で区間新記録をマークした柴田翔(石井製作所)の力走もあって4位に食い込んだ。

 前日に区間記録を更新した三浦拓真(拓大)が大混戦の12区(新庄―舟形)で流れを呼び込み、高校生区間15区(村山―東根)の伊藤徹(酒田南高)も「1位との差を縮めたい」と続いた。一時順位を落としたが、アンカー柴田らが「1秒でも前に」と盛り返した。

 初日から粘りを見せてきたチームにとって、勝負の最終日になりそう。柴田は「3日目優勝を確実に狙う」と意気込んだ。

課題修正、山形5位

 ○…初日と同じ5位に終わった山形だが、阿部和幸監督は「結果は想定内。昨日の修正点である、序盤の流れを後半につなげることができベストの結果」と選手をねぎらった。

 この日、最初のランナーとなった高見泰杜(東海大山形高)が先頭集団で走りペースをつくる。後続ランナーは勢いそのままにたすきをつなぎ、レース中盤まで3位の好位置をキープした。終盤に順位は落としたが、阿部監督は「難所をベテランが前半の勢いを失わないよう走ってくれた」とねぎらい「最終日は高校生の区間が鍵となる」と気を引き締めた。

持ちこたえ、天童・東村山6位

 ○…3位以上で地元入りするのが目標だった天童・東村山は順位を上げることができないまま6位で天童市役所前でたすきをつないだ。中村展人監督は「浮上のきっかけをつくることができなかった」と悔しがった。

 中位のクラスで激しい競り合いを繰り広げたが、一気に順位を上げるための流れをつかめず、苦しい展開が続いた。好材料がない中、14区(尾花沢―村山)を走った斎藤真也(天童市役所)を筆頭に調子が悪い中でも各自、粘りの走りで、前日と同じ6位にとどまった。中村監督は最終日に向けて、終盤のレース展開を挙げ「なんとか持ちこたえた。巻き返しにつなげていきたい」と闘志を燃やした。

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