「手塚さんの分までしっかり走る」 長井・西置賜チーム、特別な思い

2021/4/25 14:44
第63回大会でたすきをつなぐ手塚雄一朗さん(左)=2018年4月、藤島中継所

 2年ぶりに開催される第65回県縦断駅伝競走大会(27~29日、山形新聞、山形放送、山形陸上競技協会など主催)。長井・西置賜チームは特別な思いを胸にコースを駆ける。主力として出場予定だった手塚雄一朗さんが先月、30歳の若さで急逝した。共に戦うはずの仲間を失った悲しみの中、「彼の分もしっかり走る」と決意を固めている。

 手塚さんは長井市出身。県縦断駅伝には長井高2年時に初めて出場した。城西大の学生時代、白鷹町役場職員としての社会人でも地域の期待を背負ってたすきをつなぎ、出場は計10回に上る。ベテランの域に差し掛かっても、周囲に「30歳を過ぎても自己ベストを出せる」と、向上無限の闘志を見せていた。

 突然の訃報は先月13日に届いた。急病のため、自宅で息を引き取っているのが見つかった。直前までトレーニングで走っていたとみられる。同18日の葬儀では多くの人が別れを惜しんだ。

 「信じられなかった」。10年以上、共にチームの主力を担ってきた主将の樋口勝利さん(33)=西置賜行政組合消防本部=は言葉を失ったように視線を落とす。過去3大会は手塚さんが2日目の大江―朝日間、樋口さんが続く朝日―白鷹間を走った。いずれもアップダウンが激しい重要区間を2人で乗り切った。

特別な思いで第65回大会に臨む長井・西置賜チーム=長井市・光洋精機アスリートフィールド長井

 手塚さんは安定した走りを続け、近年は記録を縮めていた。樋口さんは「雄一朗は計算通りのタイムで走ってくれた。(たすきを受け取る)自分のレースプランを組み立てやすかった」と語る。

 別れから1カ月余りが過ぎ、大舞台が迫ってきた。強豪チームに比べ選手層が厚いとは言えない長井・西置賜。大きな存在を失ったのは痛手だが、手塚さんが与えてくれたものもある。「明らかにチームの雰囲気が変わった。『彼の分も』という気持ちが個々の練習に対する姿勢に見えてきた」

 本番ではチーム全選手が喪章を着け、監察車からは遺影が見守る。「苦しい場面で雄一朗が背中を押してくれると思う」と樋口さん。大会最終日の翌30日には四十九日を迎える。天国へ旅立つ仲間に、胸を張って結果を報告するつもりだ。

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