慶応大先端研、ハダニの糸の遺伝子解明 細くて硬い、産業への応用期待

2021/4/22 13:01
(縦列左から)ハダニの電子顕微鏡像、糸の電子顕微鏡像(荒川和晴准教授提供)

 慶応大先端生命科学研究所(先端研、鶴岡市)などの研究グループは21日、ハダニの糸を構成するシルクタンパク質の遺伝子を解明したと発表した。害虫として知られるハダニだが、その糸はクモやカイコの糸より細くて硬い。遺伝子が解明されたことで「ダニ糸」の特性を生かした産業への応用が期待される。

 ハダニは植物の葉などに寄生する農業害虫。体長は1ミリ未満と小さく、クモのように糸を紡ぐ習性がある。研究では、ハダニ3種から糸を採取し、遺伝子の配列やタンパク質の種類・量を網羅的に解析した。微量のサンプルを検証し、糸を構成する二つの遺伝子を突き止めた。

 ハダニの糸はクモ糸の100分の1の細さながら、約2倍の硬度があるという。新素材として強靱(きょうじん)さが注目され、既に丈夫な生地として商品化も進んでいるクモ糸に対し、ダニ糸は繊維としての活用が想定され、不織布マスクのフィルターなどでの用途が期待される。農業分野でも、糸や巣を分解するような農薬研究での可能性が開けた。

 研究は先端研と東京農工大、流通経済大、法政大が共同で取り組んだ。研究結果は国際科学誌「ジャーナル・オブ・プロテオミクス」で、オンライン公開された。先端研の荒川和晴准教授は「生態学的な知見など、異分野の連携で得られた成果。生物が与えてくれる素材の可能性がまた広がった」と語った。

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