住宅「部分補強」で減災 県の新しい耐震改修促進計画、高齢者負担減に配慮

2021/4/15 09:44
山形県庁(資料写真)

 県は建築物の倒壊を最小限に抑え県民の命を守るため、「減災対策」の視点も重視した施策を2021年度から展開する。耐震性不足の住宅で65歳以上が家計を支える割合が6割強に上り、改修する場合の経済的な負担が大きいと判断。過ごす時間の長い部屋に限定した部分補強などを促し、負担軽減を図る。21年度からスタートする県建築物耐震改修促進計画で方向性を示し、計画最終年度(30年度)までの耐震化率90%を目指す。

 県内には山形盆地、長井盆地西縁、庄内平野東縁、新庄盆地の主要4断層帯と海溝型の日本海東縁部があり、マグニチュード6.9~7.8程度の地震が想定されている。前計画は20年度末までに耐震化率95%を目標としたが、住宅83.3%(18年度)、民間建築物65.7%(19年度)、公共建築物94.9%(同)となっている。

 旧耐震基準の1980(昭和55)年以前の住宅で、耐震性が足りない県内の住宅は6万5600戸とみられ、このうち6割の世帯は65歳以上が家計を支えている。耐震改修に平均約260万円が必要で、改修しない理由として「費用負担が大きい」「古い家にお金をかけたくない」があるという。

 耐震性が不足する住宅が18年度までの15年間で約5万戸減少したものの、今後は鈍化すると推測する。解体・建て替え時の利子補給制度や耐震改修のリフォーム支援とともに、居間や寝室など部屋を限定した部分補強、上部がアーチ型の耐震ベッドなどを通じて費用負担を低減し、「命を守る」ことにつながる減災対策を前面に押し出した。

 現計画は30年度までの10年間。住宅の耐震化率90%を目標に掲げ、部分補強や耐震ベッドを含めた減災対策率を95%と設定した。

 住宅以外の民間建築物は、耐震化されていない大規模商業施設3カ所のうち、1カ所が解体を予定。残り2カ所は耐震化の検討に入ったという。公共建築物は県有施設でほぼ完了し、未対応の市町村有施設6カ所も改修が進んでいるとしている。

 民間建築物のうち、大規模ホテル・旅館の4施設も未対応だが、新型コロナウイルスの影響で先行きを見通すことが難しく、設備投資が困難だと分析。収束状況を見定めた上で、改めて耐震化率の目標を設定するとしている。

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