旅行促進策「なぜ、今なのか」 県、16日からキャンペーン開始

2021/4/14 09:11
観光客の姿がほとんど見られない山寺。緊急事態宣言の期間中、山形市の施設にはキャンペーンが適用されない=13日午後1時50分ごろ、同市山寺

 県は13日、16日から県民の県内旅行に最大5千円を補助する旅行促進キャンペーンを始めると発表した。観光関連産業から歓迎の声が聞かれる一方、山形市に、県独自の緊急事態宣言が出され、県内では連日2桁の感染確認が続く中でのキャンペーン開始に、医療従事者や山形市民からは「なぜ今なのか」と疑問の声も出ている。

 キャンペーンは5月31日宿泊分までを対象に展開。県民が県内を旅行する際、1人当たりの宿泊料金や日帰り旅行代金の半額を補助し、補助上限は5千円。旅行中に使えるクーポン券2千円分も無料配布する。

 感染の落ち着いている地域からは歓迎の声が上がった。小野川温泉(米沢市)の旅館・宝寿の湯は、今月になって予約の入りが鈍くなった。東京都や宮城県などへのまん延防止等重点措置適用もあり「温泉街でも『今年は厳しい大型連休になる』との声が聞こえる」と関谷寿宣社長。それだけに「キャンペーンはありがたい。感染対策を徹底し、お客さんを迎えたい」と話した。

 一方、山形市では宣言解除まで市民は活用できず、市内宿泊施設での利用も不可。旅行会社・E旅(同市)の金田史生社長は「山形市民は不要不急の外出自粛を求められており、(宣言解除予定の)25日まで動きが出ないだろう。営業活動もできない」とあきらめ顔。緊急事態宣言後は予約の電話は鳴らないといい、「感染が落ち着くまで県民は旅行ムードにならないのでは」と話した。

業界歓迎の一方…医療従事者ら、疑問の声

 医療従事者は移動が増えることでの感染拡大を懸念している。同市の病院に勤務する60代男性医師は「県内の感染状況は高止まりしており、まず感染の封じ込めに注力すべきだ」と語気を強める。さらに「今は県民みんなが我慢する時。この時期に新たなキャンペーンを展開することは、感染防止の観点から好ましくない」と首をかしげた。

 利用を待たされる山形市民の意見は分かれた。同市下条町2丁目、会社員酒谷伸輔さん(44)は「宣言期間延長直後でキャンペーンには賛成できない。山形市民だけ一定期間、利用できないのも不公平だ」と指摘。同市桜田西4丁目、大学生佐藤愛莉さん(19)は「アルバイト先の旅館の経営状況悪化を感じるので、経済を回し観光産業を助けることには賛成」と話した。

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