限界近づく飲食店「いつまで耐えれば」 山形市の緊急事態宣言、2週間延長

2021/4/10 09:01
緊急事態宣言の延長が決まった山形市。さらに2週間、我慢の生活が続く=9日午後6時4分、JR山形駅前

 山形市に発出されている緊急事態宣言の延長が決まった9日、市内の飲食店などからは我慢の生活がさらに2週間続くことへの不安と嘆きが聞かれた。市民らは期間の延長に理解を示す一方で、その効果に疑問を抱く声もあった。

 山形駅前はながさ通り飲食店組合の酒井貞昭理事長(56)は「悔しいが、現状をのみ込んで我慢するしかない」と肩を落とし、「借入金をどう返済するか不安だ。会社をいかに存続させるか考える段階にきている」と切実だ。飲食店は閉店、廃業が相次ぎ、組合加盟数は1年前と比べ25店減った。酒井理事長は「先が見えないのが一番つらい。せめて感染者数、病床使用率など宣言解除の具体的な基準を示してほしい」と訴えた。居酒屋経営の男性(45)は時短営業を続けているが、1日の客数は多くても2人。「協力金はありがたいが、申請と支給は3月27日~4月11日分と4月12~25日分を区切ってほしい。一括なら支給が5月になり苦しい」と話した。

 料亭・千歳館は「経路不明の感染者など現状を見れば延長は仕方がない」と受け止める。出前・仕出しに軸足を移し、1人も解雇せずに運営してきたが、既存の支援制度だけでは厳しいという。固定資産税などの負担も大きく「支援金の増額の他、税の免除などもあればありがたい」とした。

 仙台市と山形市を結ぶ高速バスを運行する山交バス(山形市)は、今月中旬から各大学で対面授業が再開される見通しだったため1日72往復に増便していた。しかし独自の緊急事態宣言の期間延長を受け、山形大は原則オンライン授業を継続することに。利用者数にも影響が見込まれるが便数は維持するという。担当者は「通勤などで必要な人が利用しており、安心して乗っていただけるよう対応するしかない」と話した。

 山形市内の映画館では緊急事態宣言後から客足が減り、夜の回はその傾向が顕著だという。来週以降は動員が期待できる新作の公開を控えているが、「感染状況が改善しなければ客足に響く可能性がある」。状況が悪化すれば自主的に夜の営業自粛も検討するとし、「補助金などがない以上、効率的なやり方で乗り切るしかない」とした。

 山形市のJR山形駅前でバス待ちをしていた市内の会社員男性(25)は「感染者が高止まりし、宣言延長は妥当」と納得顔。「そろそろ市外に遊びに行きたいという気持ちもあるが、感染拡大を防ぐため、今は耐えるしかない」と話した。マスク着用や市外に出ないなど感染防止に努めているという主婦(65)は「これまでも対策はしているはずなので、期間延長に効果があるのか疑問」と懐疑的だ。一方で「医療現場の逼迫(ひっぱく)状況がとても心配。1日も早く収束してもらいたい」と願った。

11日で解除の寒河江市、時短継続に独自支援も

 県独自の緊急事態宣言が予定通り11日で解除されることになった寒河江市だが、感染の再拡大を防ぐため、酒類を提供する飲食店には1週間ほど営業を午後9時までとする時短要請を継続することにした。県と市が支給する1日当たり5万円の協力金は終了するため、独自に2万円程度の支援を検討している。市民対象の無料PCR検査も規模を縮小しつつ続ける。

 時短営業が続くことに関し、寒河江料理飲食業組合長の斎藤実さん(58)は「現在は組合加盟店のほとんどが感染拡大防止のため休んでいる。解除後も半数以上は休業を続けると思うし、再開する加盟店は時短要請に協力する。組合として改めて感染防止策徹底を呼び掛けたい」と協力する意向を示した。

 洋食店「ビストロふる家」店主で、現在はテークアウト営業を行う古郡力さん(38)も「経営は厳しいがコロナ収束が最優先」と理解を示し「他業種も大変。支援金はもらえるだけありがたい」。一方、「やきとり庄ちゃん」社長の菅野和由さん(39)は「店を開けてもお客さんが来てくれるか心配だ」と語った。

 市民は宣言解除が決まって安堵(あんど)しながらも、無職の白田正栄さん(69)は「今まで通り手洗いやマスク着用をしっかり続ける」と気を引き締めた。

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