ナデシコクラゲ、国内初展示 鶴岡・加茂水族館、北里大グループが海洋ごみから発見

2021/4/8 09:51
鶴岡市立加茂水族館で展示されているナデシコクラゲ(同館提供、海洋研究開発機構協力)

 鶴岡市立加茂水族館(奥泉和也館長)に、国内初展示となる「ナデシコクラゲ」(仮称)がお目見えした。北里大海洋生命科学部(神奈川県)の研究グループによる海洋ごみの調査がきっかけで、国内で初めて見つかったクラゲ。通年で公開し、環境問題などもアピールしていく。

 同大の三宅裕志准教授が率いる研究グループが2012年3月、東日本大震災で被災した岩手県の沖合で、海洋ごみが深海の生態系に及ぼす影響などを調査した際、水深1127メートルの砂泥にあった空き缶を回収した。付着していた生物を調べるため、空き缶を水槽に入れて餌となるプランクトンを与えたところ、クラゲの基となるポリプが増殖し、大きくなるまで育ててきた。

 「ナデシコクラゲ」は、学名が「Earleria purpurea(エアレリア・パープレア)」で、16年には米国の水族館で展示された例がある。標準和名は無く、クラゲの口の部分がナデシコの花のように見えることから、三宅准教授が「ナデシコクラゲ」と名付けた。約9年かけて形態などを調べた上で、クラゲの飼育実績が認められている加茂水族館と新江ノ島水族館(神奈川県)で公開されることになった。

 加茂水族館で展示しているのは、傘の直径が0.5~3センチほどの大きさのもの約30匹。大きくなるにつれ、口や筋の部分が赤紫色に変化してくるのが特徴という。

 三宅准教授は「クラゲのポリプは本来、砂泥には付着しない。人間の生活から出たごみが、深海の生物の生息域まで変化を及ぼしてしまっていることが分かった。環境問題にも思いを巡らせてもらえたらと思う」とし、同館飼育課の池田周平さん(34)は「普段見ることのできない珍しいクラゲ。来館した際はぜひ見てほしい」と話している。

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