本県沿岸への木造船漂着が激減 北朝鮮の違法操業減が要因か

2021/3/9 10:52
2017年ごろから本県沿岸への木造船の漂着が相次いでいたが、本年度は激減している=酒田市浜中

 本県沿岸への木造船の漂着が激減している。4年ほど前から波風が強いこの時期に北朝鮮籍とみられる船が流れ着き、問題となっていた。酒田海上保安部は、日本海の好漁場・大和堆(やまとたい)での北朝鮮による違法操業が減っていることが要因とみている。一方、本県などの漁業者にとっては、中国の漁船や公船が新たな脅威となっており、安全操業に向け、より踏み込んだ対策が求められている。

 本県では2017年ごろから、鶴岡市の海岸で、国籍不明の木造船が発見され、北朝鮮の指導者のバッジを身に着けた遺体が見つかるなど、木造船の漂着が相次いだ。冬季の発見が多く、船は完全な形だけでなく、木片など一部のみの場合もあるが、形状やハングル表記などから、同国籍とみられている。漂流を含め、18年度は16件、19年度は13件となっている。

 今冬は暴風雪などが相次ぎ、海上の天候は例年に比べ厳しいが、本年度は1月に発見された1件のみ。海保や水産庁、漁業者の情報では、大和堆で今季、北朝鮮の漁船と遭遇するケースが大幅に減っている。新型コロナウイルスの影響もあるとみられるが、原因ははっきりしていない。本県の中型イカ釣り船団などの操業環境は改善されたとみられた。ただ、新たな脅威として中国漁船の存在が浮かび上がっている。

 中型イカ釣り船の漁が本格化する昨年6月ごろから、本県の船団を含め、日本の漁船が大和堆で中国の違法操業船の影響を受けた。小規模な北朝鮮の漁船と比べ、船体が大きい漁船もある。海上で衝突した場合の危険性は高い。中国の公船が付近にいることもあり、資源保護にも配慮しないため「迷惑な存在」だ。海保や水産庁には、北朝鮮だけでなく中国の漁船への警戒強化も求められている。

 ただ「北朝鮮の船が再び、大和堆に進出し、違法操業が横行することも懸念される」と関係者。漂着船の近くには北朝鮮の漁民などの不審者がいる場合や危険物があることも想定される。酒田海保は「木造船や漂着物を見つけたら、むやみに近づかず、すぐに118番通報してほしい」と注意を呼び掛けている。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]