アジア新の東海林(山形市)喜び爆発 パラ競泳・斎藤(日大山形高出)は日本タイ

2021/3/8 10:34

 パラ競泳の日本選手権は最終日の7日、静岡県富士水泳場で男女各種目を行い、男子100メートルバタフライ(知的障害)で東海林大(三菱商事、山形市)が55秒68のアジア新記録を樹立し、自身の持つ記録を0秒04更新した。

 男子100メートル背泳ぎ(視覚障害S13)の斎藤元希(国士大・日大山形高出)は自身の日本記録に並ぶ1分4秒42をマークした。

 男子50メートル自由形(運動機能障害S5)では15歳の日向楓(宮前ドルフィン)が36秒86で泳ぎ、前日の50メートルバタフライに続いて日本記録を塗り替えた。女子50メートル自由形はともに2019年世界選手権代表で、視覚障害S11の石浦智美(伊藤忠丸紅鉄鋼)が31秒03、同S13の辻内彩野(三菱商事)が27秒83の日本新記録で泳いだ。

【ハイライト】エンジン全開、飛ばす飛ばす

〈男子100メートルバタフライ(知的障害)〉自身の持つアジア記録を更新する55秒68をマークした東海林大(三菱商事、山形市)=静岡県富士水泳場

 不安げに振り返った視線の先、電光掲示板を確認し一気に表情が緩んだ。男子100メートルバタフライ(知的障害)で東海林大(三菱商事、山形市)がたたき出したタイムは55秒68。自身の持つアジア記録を約3年ぶりに塗り替え「ひとまず、すっきりした」。よほどうれしかったのか水面をたたき、派手なガッツポーズで喜びを爆発させた。

 飛び抜けた強さだった。スタートからエンジンは全開。序盤から積極的に飛ばす攻めの姿勢を貫き他の追随を許さず、終盤まで力で押し切って「ガツンと行けた」。成長の跡を示す会心のレースを独特の表現で振り返った。

 前日の200メートル個人メドレーは不本意な記録に落ち込んだ。「ぶざまだ」「これでは(世界で)戦えない」。結果が出なかったことで後ろ向きな思考に陥ったが、メモ帳に前向きな言葉をつづるなどして己を奮い立たせた。記録更新の要因も「気持ちを切り替えられたことが大きかった」と胸を張った。

 代表選考レースとなるジャパンパラ大会が5月に迫る。代表内定を得ている200メートル個人メドレーだけでなく、複数種目での出場を視界に捉えるからこそ「ずばぬけたタイムを出したい」。そのためにもメンタルが重要な要素となることは、十分に理解している。「楽しく泳ぐことを忘れず、無心で攻めていく」。今大会の経験を糧に、さらなる飛躍を期する。

 期待が重圧となって出場を逃したリオデジャネイロ・パラリンピックから5年。「たくさん失敗してきたけど、少しずつ強くなっている自分がいると感じている」。体力面や技術面はもちろんだが、何より気持ちの強さを身に付けたことが大器の自信につながっている。

【スポット】疲労残る中、光る安定感

〈男子100メートル背泳ぎ(視覚障害S13)〉自身の日本記録に並ぶ1分4秒42をマークした斎藤元希(国士大・日大山形高出)

 狙っていたタイムには届かなかったが、手応えはつかんだ様子だ。男子100メートル背泳ぎ(視覚障害S13)で斎藤元希(国士大・日大山形高出)は1分4秒42の日本タイ記録をマークし、「安定感のある泳ぎができたことは収穫」と前を向いた。

 東京での記録会を経て今大会に臨み、レースは4日連続。前半は突っ込まずに力を抑え、後半にピッチを上げた。疲労が残る中でも「やりたいことはできた」と斎藤。想定タイムより0秒5ほど遅く、自身の持つ日本記録の更新はならなかったが「疲れがある中でもこういうパフォーマンスができたことは、力が付いた証し」とうなずく。

 前日は200メートル個人メドレーと100メートル自由形に出場。個人3種目のレースを経験し「緊張感のある中で100%の力を発揮できれば、結果はついてくる」と実感した。東京パラリンピックの代表入りが懸かる5月の代表選考レースに向け、実りのある大会だったようだ。

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