「風化させない」願い込め慰霊呼び掛け 余目中・渡部さん、防災無線で町内一円に

2021/3/7 11:42
東日本大震災発生の日に合わせて、地域住民に届ける防災行政無線のメッセージを録音する渡部晃大さん=庄内町役場

 庄内町は毎年、東日本大震災が発生した3月11日に合わせ、地元の中学生が防災行政無線で犠牲者への慰霊を呼び掛けている。友好町・宮城県南三陸町の復興支援に大人も子どもも携わり、交流を続けている同町。発生から10年を迎える今年は、余目中生徒会副会長の3年渡部晃大さん(15)が収録に臨み、「震災を風化させたくない」という願いをメッセージに乗せた。

 両町は1999年、旧立川町、旧歌津町時代に友好町の盟約を締結した。合併後の2006年に庄内町と南三陸町として友好町の盟約を再度結び、ワカメの養殖体験などを通じて交流している。震災時には庄内町からいち早く物資を届け、ボランティアや職員を派遣してきた。

 支援と交流の輪は庄内町の小中学生にも広がった。文化祭で南三陸の特産品を販売したり、自分たちで育てたトマトを持参して復興住宅の入居者に直接届けたりしている。

 慰霊のメッセージも、その取り組みの一つだ。代表に選ばれた渡部さんは、昨年10月の同校文化祭で、学校と南三陸町をリモートでつなぐ催しを企画した。例年、同町を訪れて行っていたワカメの刈り取り体験が新型コロナウイルス感染拡大の影響で取りやめになったことを受け、「形を変えても交流をしたい」という思いがあったからだ。

 渡部さんは2日に町役場でメッセージを録音した。「震災を忘れず、二つの町をつなぐ活動を通して南三陸町を応援していきたい」とし、地震発生時刻の11日午後2時46分に、黙とうをささげてほしいと訴えた。

 震災発生時、5歳だった渡部さん。幼いながらも大きな揺れを覚えているという。昨年はPTA行事の一環として南三陸町を訪れ、地元住民から地震や津波の恐ろしさを学んだ。メッセージには、生徒会スローガンでもある“つなぐ”という言葉を入れた。「今後、震災後に生まれた子どもたちが中学校の後輩になってからも、震災の記憶を風化させたくないという思いを込めた」と語った。

 録音したメッセージは、10日午後6時45分と11日午前7時45分に防災無線で町内一円に流れる。

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