山形大は4日、同大大学院の城戸淳二卓越研究教授(62)が2020年度日本化学会賞を受賞したと発表した。有機EL分野の研究に取り組み、基礎研究から工業化に至るまでの幅広い成果が高く評価された。同大での同賞受賞は初めて。
城戸教授は1989年に有機ELの研究を開始。白色有機ELの分野で、世界で初めて高分子分散型、積層型、単層型などさまざまな構造での白色発光を実現した。企業との応用研究や開発、事業化など有機EL産業も総合的にけん引。有機ELディスプレーはスマートフォンやタブレット、大型テレビなどに使われ、照明も省エネルギー光源として注目を集める。
同日の定例会見で受賞を報告した。城戸教授は「研究者として名誉なこと。有機ELは普及してきているが新技術の開発にますます力を入れたい」と語った。
日本化学会は1878(明治11)年に創立され、会員約3万人を擁し、化学系の学会では国内最大の学術組織。同賞は日本化学会の最高賞で、化学の基礎や応用に関し業績が特に優秀な研究者に贈られる。20年度は城戸教授を含め6人が受賞した。
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