ICT活用、障害者の就労支援に 新庄のユニオン社、業務受託

2021/2/27 11:45
障害者が画像処理の仕方を教わった初期技術講習会=1月、新庄市

 障害者福祉事業などのユニオンソーシャルシステム(新庄市、加藤秀幸社長)で働く障害者が今年から、情報通信技術(ICT)を用いて道路補修・修繕に役立てる測量画像の加工処理に取り組んでいる。新たな測量手法を開発したエムアールサポート(京都市)から受託する業務で、工事へのICT活用が全国で普及しつつある中、先進技術が障害者の就労支援にもつながると期待されている。

 国土交通省は工事現場の生産性と安全面の向上のため、ICTの積極活用を推奨。測量業のエムアール社がこれに着目し、効率的な舗装修繕工につながる「測量美術」と称する測量技術を開発した。3Dレーザースキャナーやドローンで高精度の計測、色彩情報を収集する手法で、このデータが的確な工事に役立つ。同社は手法が評価され2019年度「国交省i―Construction大賞」優秀賞を受けた。

 一方、複数の画像を重ね合わせ3D化する作業は労力がかかるため、エムアール社は西日本のいくつかの障害者就労支援事業所などに委託。SDGs(国連の持続可能な開発目標)の観点からも、障害者の就労支援への貢献が注目を集める。

 一連の仕組みに感心した新庄砕石工業所(新庄市)が、「“公共事業からつながる障害者支援”を最上地域や本県でも広めたい」と昨年末、エムアール社とユニオン社に連携を打診。ユニオン社は硬式野球ボールの修繕が主力事業で、全従業員の約半数に当たる220人ほどの障害者を雇用しており、職種の開拓にもつながると快諾した。エムアール社も趣旨に賛同し、東日本では第1号となる「測量美術」画像処理作業の委託事業が実現した。

 新庄砕石工業所の主催で先月、初期技術講習会を新庄市内で開催した。ユニオン社の障害者が、エムアール社から送られた道路画像上の通行車両をパソコンで赤く囲んで消したり、ひび割れをなぞって消したりする作業を教わり、短時間でこつをつかんだという。

 ユニオン社の加藤葵取締役は「パソコン上でできる仕事をやりたかったという障害者が、生き生きと話を聞いていた。やりがいと社会貢献意識を養うことにもつながる」、新庄砕石の柿崎赳(たけし)取締役管理部長は「地元の工事が地元の障害者の就労支援につながるというこの輪が、全国に広まればうれしい」と話している。

 エムアール社の業務委託は1月から入り始め4月以降、本格的に発注が増えていくと見込まれている。

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