県内、給油中の流出事故相次ぐ 回収費請求も…「離れない」が大事

2021/2/23 14:29
灯油の流出元にはオイルフェンスや吸着マットの設置費用など、高額な請求が来る場合も(写真は昨年11月、庄内町の立谷沢川で行われた訓練)

 県内で灯油の流出事故が相次いでいる。原因の多くを占めるのが屋外タンクからの給油中にその場を離れたり、バルブを閉め忘れたりするなどの「うっかりミス」。国土交通省山形河川国道事務所によると、事故は1~2月に多発する傾向にあり、雪解け後に被害が分かるケースもある。流出元が回収にかかった諸費用を請求される場合もあることから、屋外タンクの灯油管理には注意が必要だ。

 県内では先月14日に米沢市の住宅から400リットル、15日に天童市の住宅から150リットルの灯油が流出する事故が発生した。ともに原因は給油中に目を離したことという。同事務所によると、2019年に起きた灯油流出事故の約7割が、給油中に離れたことやバルブの閉め忘れが原因だった。

 本県の最上川水系は水質事故件数が東北地方の12水系で最多となっており、14年度からワーストが続く。同事務所の藤原孝徳河川管理課長は、そもそも給油していることを忘れるのが大量の油流出の原因として、「その場から離れないだけで事故の多くは減らすことができる」と指摘する。

 タンク下を囲む形で周りへの流出を防ぐ防油堤の設置や、センサー付きのポンプ利用も有効だという。しかし、防油堤の設置義務は容量500リットル以上の家庭用タンクに限られ、普及しているタンクの多くは容量450~490リットルのため、少しの油断が大きな被害につながりかねない状況だ。

 流れ出た油が自然に分解されることはなく、生態系のほか、臭いや取水制限といった生活への影響が懸念される。河川管理者は流出元の家庭や事業所に対し、1枚300円ほどの使い捨て吸着マットや人件費など油回収にかかった諸費用を請求する場合もある。通報が早く側溝で流出が止められれば数万円程度で済むというが、対処が遅れて川幅の広い河川に流れれば数十万円になり、収束までに数日かかった場合は請求額も計り知れない。

 県内は気温の上昇で落雪の頻度が高まっており、落雪の衝撃で配管が破損し流出につながる危険もある。今月14日には新庄市内のガソリンスタンドで、雪の重みにより破損した配管から約3千リットルの灯油が漏れる事故も発生した。気付かないうちに灯油が漏れ出し、雪が解けてから被害が分かることもあるため、日頃から屋外のタンクに注意を払っておく必要がある。同事務所は「配管の劣化や屋根からの落雪の危険など、新たな視点で点検してほしい」と呼び掛けている。

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