蟹仙洞(上山)の敗訴確定 最高裁、刀剣3本の返還認めず

2021/2/23 12:35

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 上山市の美術博物館「蟹仙洞(かいせんどう)」が、所在不明になっていた重要文化財の刀剣3本について、刀剣収集家の男性が代表を務める大阪府茨木市の会社に引き渡しを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は蟹仙洞側の上告を退ける決定をした。18日付。請求を棄却した一、二審判決が確定した。

 一、二審判決によると、蟹仙洞で所蔵していた鎌倉時代の「来国次(らいくにつぐ)」、南北朝時代の「備前国長船兼光(びぜんのくにおさふねかねみつ)」など3本が1991年に盗まれた。売りに出されているとの情報を得た男性が2014年、蟹仙洞に連絡した上で、同じ銘のある3本を計約1億2千万円で業者から購入した。

 男性側は一審山形地裁の審理中に「よく似た別の刀だ」と主張するようになり、19年の判決はこれを認めて請求を棄却した。

 二審仙台高裁は20年7月、違う刀だと認める証拠はないとした上で、蟹仙洞側が当初、男性の購入を了承していたとして「代金を提供せずに返還を求めるのは信義に反し許されない」と控訴を棄却していた。

蟹仙洞代表「真実追求されず残念」

 蟹仙洞の長谷川尚志代表(52)は22日、山形新聞の電話取材に対し「結局盗まれた刀剣の在りかは分からず、諦めるしかない。真実が追求されず残念だ」とコメントした。盗難事件があった1991年当時に代表を務めていた療養中の父浩一さん(82)も悔しいだろうとした上で、「純粋に刀剣を愛する収集家だけでなく、盗品を元手に資金洗浄するような世界は理解できない」と語った。

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