コロナ収束後の誘客へ新ツアー 食、ものづくり現場に光

2021/2/23 11:44
酒蔵や飲食店の担当者による解説を受けながら、全国の80人が山形の食と酒を楽しんだオンラインツアー=山形市

 本県の観光業界で、新型コロナウイルスの収束後を見据えた旅行商品の開発が始まっている。飲食店や生産者とタッグを組んだ食ツーリズムや、ものづくり力に改めて光を当てた産業ツーリズムなど付加価値の高い商品について、オンラインを使って発信する動きが相次いでいる。

 山形市の飲食店「魚きがるに酒場」を拠点に11日夜、オンラインツアーが行われた。北海道から沖縄まで80人の参加者を前に酒蔵、飲食店などの関係者が山形の食と酒、風土について解説。参加者は店が事前に送った魚の酒かす漬け、日本酒を味わいながら、旅気分を楽しむという趣向だ。参加者負担なしのモニターツアーということもあるが、定員の10倍超の900件の申し込みがあった。

 「山形の日本酒はどれも当たり」「コロナが落ち着いたら行きたい」。コメント欄には参加者から好反応が続いた。今回は発信力がある東北在住者限定で、実際の旅行も並行して実施。地酒と地元の食材を使った夕食をメインに雪下野菜の収穫体験、ワイナリー見学などを盛り込んだ。配信映像でリアルツアー参加者の表情を交え、オンラインツアーの臨場感も高めた。

 テロワージュ山形実行委員会、旅行商品企画などを手掛けるオガル(山形市)が主催。同社執行役員の小関大介さん(34)は「コロナ後にいかに山形に来てもらえるか。観光資源の磨き上げと発信をしていきたい」とする。今回の企画の中から部分的に切り取った形のツアーなども含め、展開していく予定だ。

 一方、DMC天童温泉(天童市)は「一生ものに出会える旅」と銘打ち、周辺のものづくり企業と連携した旅行商品開発を進める。25日からオンラインのモニターツアーを実施予定だ。

 体験型ツアーで、(1)オリエンタルカーペット(山辺町)(2)天童木工(天童市)(3)将棋の思考法講座と書き駒体験(同)(4)出羽桜酒造(同)と菊地保寿堂(山形市)―の4コースを用意。それぞれ事前に、組み立て式のいすや山形鋳物の急須とぐいのみ、日本酒などを参加者に送り、製造現場の見学と「いすを組み立てる」「山形鋳物で日本酒を味わう」といった体験を楽しんでもらう。

 国内だけでなくインバウンド(海外からの旅行)需要を見据えており、既に「中国、台湾にプロモーションしたい」という引き合いもある。実際に販売する際は天童温泉を滞在拠点とし、宿泊費別で5千円~3万5千円程度の料金を想定する。同社旅行事業課リーダーの鈴木誠人さん(31)は「天童温泉に滞在しながら、本県企業の製品の良さを知って購入してもらうという流れをつくっていきたい」と話す。(3)(4)に関しては24日まで参加受付中(応募者多数の場合抽選)。問い合わせはDMC天童温泉023(654)6699。

 ともに観光庁の誘客多角化事業の採択を受けた。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]