県内企業、後継者不在率が6割超 「70代が経営」で増加

2021/2/20 08:20

 本県で後継者がいない企業の割合が62.2%に上り、6割を超えることが帝国データバンク山形支店の調査で分かった。全国平均(65.1%)を下回るものの、事業承継が喫緊の課題となる70歳代経営者の後継者不在率が増加しており、全体の割合は横ばいの推移ながら、楽観視できない状況が続く。

 昨年10月時点で同社が保有するデータで事業承継の実態が分析できる2121社を調査。このうち1319社が「後継者不在」とした。

 社長の年代別では、30歳未満と70代以外で後継者不在率が低下。事業承継の検討期に入る50代は69.4%と7割を下回り、「事業承継適齢期」とされる60代でも44.2%と2年連続で減少するなど、全体的に改善が見られる。一方、70代の不在率は34.0%と前年を0.7ポイント上回った。

 業種別では、建設業が最も高く68.9%、サービス業が66.4%で続く。基幹産業の製造業は58.2%だった。前年比では、不動産業(57.6%)などで不在率が増えた。さらに細かい区分でみると、家具類卸売(91.7%)、木材製品製造(88.9%)、旅館ホテル(71.4%)など49業種中11業種が7割を上回った。

 後継者候補で最も多いのは、子どもで49.9%、血縁関係のない役員などを登用する内部昇格や外部からの招聘(しょうへい)など同族以外は28.7%で続いた。18~20年に事業承継が判明した305社を分析すると、同族承継が前年比0.2ポイント減の43.2%、内部昇格は前年比0.2ポイント増の33.3%。18年と比べると、同族承継が6.8ポイント減った一方、内部昇格は5.9ポイント増えており、同族間での引き継ぎから、幹部社員などの登用にシフトする動きがみられる。

 後継者難を理由に廃業を選択する企業も増えており、帝国データバンクの集計では、昨年1~10月に発生した後継者難を理由にした倒産も375社と前年を上回っている。一方、後継候補の選定を進めていたにもかかわらず、事業の将来性を考慮して、事業承継前に倒産するケースもある。同支店は「後継人材の育成とともに、市場の変化に合わせた新たな事業の展開なども支援していく必要がある」としている。

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