見よう見まねで「滑りげた」自作 川西の島貫さん「伝統残したい」

2021/2/19 13:49
滑りげたを楽しむ中で、自作にも挑戦した島貫義典さん=米沢市・米沢スキー場

 竹板を底に張り付けたげたで雪の上を滑る昔遊び「滑りげた」の魅力に魅了され、川西町洲島の会社員島貫義典さん(59)は、自らげたの製作に挑戦している。米沢市の米沢スキー場が開催している大会では、6回の優勝を果たす腕前。滑りげたを作る地元の職人が廃業していなくなった中、「マイげたが欲しい」との気持ちを抑えきれずに材料を集め、今月、見よう見まねで初めて作った。

 滑りげたは、置賜地域などで昭和20年代ごろまで女の子を中心に親しまれた。底には4枚の竹板を張り、前部には雪よけ用フードが取り付けられているのが特徴。米沢スキー場では、2003年から障害物競走や転ばずに滑った距離を競う大会が開かれている。参加者には滑りげたを貸し出してきた。

 たまたま第1回大会に参加した島貫さんは、スキーなどとは違う独特の感覚にはまった。毎年大会を楽しみにしているが、昨年は雪不足、今年は新型コロナウイルス感染症の影響のために大会は中止に。2年連続で大会に出られず、うずうずしていたところ「レンタルではなく、自分用のものが欲しい」との思いを強くした。スキー場近くのペンションから1足を譲ってもらったのを機に、先月から細かい部分の作りなどを研究した。

 材料の板は柳材を使用。直接足が当たり、安全性にも関わる鼻緒部分などの加工は履物店に依頼したが、滑りげたの肝となる竹板張りは自分で試行錯誤した。なたで割った竹をお湯で温めて、微妙なカーブを付けてくぎ打ちした。自分の名前や製作年月日の「2021.2.7」などの文字を刻んだ銘板も注文し、かかと部分に打ち付けて完成させた。

 同スキー場でテスト滑走した島貫さんは、県章と「滑り下駄の島貫」の文字を入れたオリジナルシャツに身を包み、自ら考案した腰を落とした独特のスタイルで見事な滑りを披露した。自作の滑りげたの出来具合は「最高」というが、材料を変えるなどして改良を図るつもりだ。「自分が大会に出るだけでなく、作りたい人がいたらアドバイスもして、若い人にも広めたい」と意気込む島貫さん。「こんなに楽しい滑りげたの伝統を何とか残したい」と、新たな目標に向かって滑り続けていく。

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