新庄の“あじさいせんべい”忘れないよ 月末、「菓匠たかはし」90年の歴史に幕

2021/2/2 10:48
あじさいせんべいとして親しまれている「新庄の花あじさい」

 新庄土産の定番として親しまれている“あじさいせんべい”を看板商品にする「新庄の菓匠たかはし」(新庄市住吉町)が今月末で店を閉じる。店主の高齢化と、売り上げの減少に新型コロナウイルス禍の景気失速が重なった。「これまで支えてくれたお客さんに感謝しかない」と同店。今月20日前後まで菓子の製造を続けた後、品切れ後に90年近い歴史に幕を下ろす。

 同店自慢の洋風クッキー「新庄の花あじさい」は、あじさいせんべいの呼び名で広く知られる。薄焼きのクッキーにアーモンドスライスがちりばめられている。新庄市の花・アジサイにちなみ、店主の高橋雄一さん(87)がフランス菓子を参考に試作を重ねて生み出し、1985(昭和60)年に販売を開始。そのおいしさが口コミで広がり、99年の山形新幹線新庄延伸開業をきっかけに人気が高まった。新庄土産の定番として広く認知され、2002年には全国菓子大博覧会で最高賞の名誉総裁賞に輝いている。

今月末に閉店する「新庄の菓匠たかはし」=新庄市住吉町

 1932年創業の同店で、菓子職人の雄一さんが2代目として家業を発展させた。高齢で店に立つ機会が減り、近年は長女の美恵さん(55)が中心となって店を切り盛りしてきた。最盛期は1日で1万2千~1万3千枚を商品化していたが、現在は4分の1程度にまで減少。美恵さんは「職人かたぎの父の思いを大事にし、昨年の秋ぐらいから閉店を考えるようになった」と胸の内を明かす。

 1日は閉店を聞きつけた市民らが多く来店し、お目当ての銘菓を買い求めていた。同市小田島町の会社員今田美貴さん(27)は「新庄のお土産といったら、これ。なくなってしまうのは寂しい」と話した。

 同店は水曜定休で営業時間は午前8時半から午後6時まで。「新庄の花あじさい」は1枚120円でばら売り、複数枚入りの箱売りもある。電話は0233(22)4080。

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