農作物被害やウイルス媒介-アライグマに注意 山形大調査、県内各地で痕跡確認

2021/1/28 11:51
北海道で捕獲されたアライグマ(山形大農学部提供)

 野生動物による農作物被害が問題となっている中、特定外来生物アライグマの生息の痕跡が近年、県内各地で確認されている。個体数の増加が農業や健康面に悪影響を及ぼす恐れもあるとして、専門家が早期の対応の必要性を訴えている。

 森林動物管理学が専門の江成広斗(えなりひろと)山形大農学部准教授が、27日の同学部の定例記者懇談会で説明した。同大は県から委託され、2018年度に鶴岡市と最上町、19年度に高畠町と米沢市で分布状況を調査している。いずれもアライグマの生息情報があった市町で、社寺仏閣の木造建築物の柱に残った爪痕を確認。社寺仏閣を含む1キロ四方を1メッシュとし、その範囲に爪痕があるかどうかを調べた。

分布調査で確認されたアライグマの爪痕=2018年9月30日、鶴岡市(山形大農学部提供)

 その結果、鶴岡は135メッシュ中37、最上町は27メッシュ中2で爪痕が見つかり、高畠は45メッシュ中10、米沢は78メッシュ中8だった。市街地に集中する傾向が見られ、鶴岡市温海地域では、アライグマと思われる足跡も確認された。

 アライグマによる農作物被害として、スイカに手を突っ込んで穴を開けるケースがあるが、猿による被害と混同されて見極めにくい。狂犬病ウイルスなどを媒介し、人間の健康に影響を与える恐れもある。江成准教授は「増加を防ぐため、早期の発見と対処が必要。移動に使われる水路に柵を設けるなど、経路を遮断する取り組みが考えられる」と話している。

記事・写真などの無断転載を禁じます
[PR]
おすすめニュース

県内ニュース最新一覧

[PR]