堤防整備、遊水地を改良 7月豪雨から半年、最上川治水の原案

2021/1/28 08:39

 最上川などの氾濫をもたらした昨年7月末の記録的大雨から28日で半年。国や県などで構成する最上川流域治水協議会が検討を進めてきた「最上川中流・上流緊急治水対策プロジェクト」の原案がまとまった。河北町溝延地区での堤防整備や大久保遊水地の改良などを盛り込み、同規模の洪水が発生しても浸水被害が抑えられるように防災力の強化を図る。

 山形市の国土交通省山形河川国道事務所で、27日に開かれた同協議会の第2回会合で原案が示された。プロジェクトの主な事業範囲は大江町から戸沢村までの区間で、県や市町村が連携して治水対策を講じる。国が手掛ける事業では、堤防整備延べ約8キロ、河道掘削約90万立方メートルに上る。

 当時、溝延地区では大きな浸水被害が発生し、地元住民が最上川沿いに堤防がない無堤区間への築堤を求める署名活動を展開した。国の最上川の整備計画に溝延での築堤は入っていなかったが、被害状況や住民の声を踏まえ、プロジェクトに組み込んだ。堤防整備はこの他、河北町押切や大江町百目木、大石田町の横山、大石田の各地区などでも行う。いずれも詳細は今後検討する。

 村山市と河北町にまたがる大久保遊水地は7月豪雨の際にほぼ満水状態となったことを受け、改良事業に着手する。洪水調節機能を担う越流堤をかさ上げし、洪水のピーク時に貯留できる水量を増やすことで下流の水位低減につなげる。

 より具体的なプロジェクトの内容は近日中に発表される。同協議会では、最上川流域全体で取り組む持続可能な水害対策の全体像をまとめた「最上川水系流域治水プロジェクト」の策定も進めており、3月に公表する方針。

 7月豪雨では最上川の9カ所をはじめ、各地で河川が氾濫。浸水被害や土砂崩れが相次ぎ、最大1万人超が避難した。道路や河川、農業施設などの被害総額は約432億円に上り、県内で発生した風水害では過去最大となった。

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