米沢市西部の上長井地区で生産される伝統野菜「雪菜」の収穫が最盛期を迎えている。生産者は一面に積もった雪をかき分け、雪菜を掘り出す作業に追われている。
雪菜は8月下旬から9月上旬に種をまき、11月中旬ごろ、60~80センチに育ったところで1度収穫する。10株ずつ束ねて新聞紙とわらでくるみ、土で囲う「床(とこ)よせ」という作業を行い、降雪を待つ。雪に埋もれると雪菜は「とう」(花茎)と呼ばれる部位を伸ばすが、これが食材となる。
同市古志田町の吉田はるさん(75)は26日、積雪約1メートルの雪をスコップでかき分け、雪菜を掘り出しては根や葉を切り落とす作業を進めた。昨冬は雪がほとんど降らず、寒風にさらされ凍った雪菜は多くが出荷できなかったという。「今季はたくさん雪が降って一安心した」と話していた。
生産者9人でつくる上長井雪菜生産組合(吉田清志組合長)によると、約6トンの収穫を見込む。収穫は2月中旬ころまで続くという。
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