米沢市の小野川温泉の温泉熱を利用した冬の伝統野菜「小野川豆もやし」の収穫、出荷作業が最盛期を迎えている。
シャキシャキした食感としっかりとした香り、味が特徴。冬に食べられる野菜として、明治時代から生産されている。生産農家の鈴木巌さん(63)=小野川町=は11月下旬から翌年の4月にかけて、栽培小屋で豆もやしを育てている。温泉熱で温めた木箱の中に大豆をまき、1週間で30センチほどに成長したら収穫だ。
作業が始まるのは午前5時前。木箱の上のわらをどけると、中は黄色の豆が付いたモヤシでいっぱい。手作業で丁寧に収穫した豆もやしは、温泉の湯で洗って砂を落とす。小野川温泉内の商店や、市内のスーパーや道の駅などに出荷し、早い所ではその日の朝に店頭に並ぶ。
例年、温泉宿泊客が土産として購入することが多く、今年は新型コロナウイルス感染症の影響も大きい。でも鈴木さんは「こんなにうまいものは他にはないと思って作っている。待っていてくれる人がいる限り続けていきたい」と話している。
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