東京電力福島第1原発の廃炉作業を想定した課題に高等専門学校生が自作ロボットで挑む「廃炉創造ロボコン」が24日、オンライン形式で行われた。前回大会で優勝に当たる最優秀賞だった鶴岡工業高等専門学校(鶴岡市)は今回、準優勝となる優秀賞に選ばれ、2年連続入賞を果たした。
競技は原子炉建屋からの溶融核燃料(デブリ)取り出しを想定し、ロボットを遠隔操作で起伏がある床やパイプの中を通らせた後、子機をつり下げ、デブリに見立てたレンガなど3種類の物体を回収する内容。当初は昨年12月に福島県楢葉町で開催予定だったが、新型コロナウイルス感染防止のため動画で性能を審査する方法とし、全国から13校14チームが参加した。この日は各チームが提出した動画が公開され、審査結果の発表と表彰が行われた。
鶴岡高専メンバーはいずれもソフトウェア開発部の3年池田龍征(たつゆき)さん(17)、4年阿部龍之介さん(19)、5年佐藤光さん(20)の3人で、ロボットの名は地元特産の枝豆にちなんだ「だだちゃ」。子機前面に上下2段階のアームを付け、デブリ3種類をスムーズに回収した。審査では、落下防止の赤外線センサーを備えた工夫などが高評価につながった。
メンバーはインターネットで結果を知り、「最優秀賞は逃したが、入賞という結果が出せたことは良かった」「先輩たちから受け継いだ技術の高さを証明できた」などと話した。指導した金帝演(キムジェヨン)准教授は「コロナ禍の中で製作に励んだ学生たちの頑張りが、賞に結びついた」とたたえた。
コンテストは日本原子力研究開発機構などが主催。5回目の今回は福島高専(福島県いわき市)が最優秀賞に選ばれた。
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