対コロナ実績評価、吉村氏に幅広い支持 大内氏、政権逆風も影響

2021/1/25 08:32

 県民生活を一変させた新型コロナウイルスの影響が広範囲に及ぶ中、現職の強みを生かした吉村美栄子氏(69)が新人の大内理加氏(57)を大差で破った。3期12年の県政運営に一定の批判はあったものの、有権者は新型コロナ対策の陣頭指揮を執ってきた吉村氏の実績を評価し、県政の継続性を求めたと言える。

 吉村氏は告示まで3カ月を切る昨年10月下旬に出馬表明した。当初から「コロナ克服」「山形経済再生」を最優先課題と位置付け、告示後も公務を続けながら実績と経験をアピール。「コロナ対策に空白をつくってはならない」との主張が無党派を含め幅広い層に浸透した。感染者が首都圏などで増加する一方、県内では小康状態となっていることも追い風に働いた。

 12年前の知事選で自民党の中でいち早く支持を打ち出し、初当選の原動力となった元参院議員の岸宏一氏が亡くなり、後援会員の代替わりも進んだ。一方で新たに若者による後援組織を立ち上げたほか、県農協政治連盟の推薦を獲得し、若年層や農業者にも支持を広げた。

 連合山形などの労組組織、非自民系や保守系、共産といった超党派の県議や市町村議らがフル回転。政府の緊急事態宣言で舟山康江、芳賀道也の両参院議員は東京にとどまったが、支持者への声掛けなどでバックアップした。現職の高い知名度などから当初は陣営内に緩みも見られたが、中盤以降引き締まり、大内氏の追随を許さなかった。

 一方、過去2回の不戦敗を経て自民党県連が擁立した大内氏は新型コロナ感染拡大の影響で運動が制限され、最大の課題とされた知名度不足を最後まで解消できなかった。菅内閣の支持率が続落したこともあり、「財源確保のための政権与党との連携」との柱となる訴えも支持拡大につながらなかった。

 当初から衆院議員3人を軸に自民党主体の組織戦を展開し、後半は吉村県政に対する批判色をより強め、「停滞した山形を変える」などと強調。会員制交流サイト(SNS)や届け出ビラなどを活用して巻き返しを図ったが、保守層を固めきれず、「コロナ逆風」の壁を突き破れなかった。

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