高橋侑(山形中央)、気迫の完勝劇 全国高校スケート女子1000、2年ぶり優勝

2021/1/23 09:41

 スピードスケートの全国高校選手権は22日、長野市のエムウエーブで男女各種目を行い、県勢は女子1000メートルの高橋侑花(山形中央)が1分19秒06で2年ぶりに頂点に立った。山中央は4年連続で同種目を制した。

 女子3000メートルでは1年生の高橋美生(同)が4分23秒69で4位に入り、男子1000メートルの福田響(同)は1分13秒52で7位。古川幸希(同)も女子1000メートルで1分22秒05の7位となり、前日の500メートルの準優勝と合わせて2種目入賞を果たした。

 23日は男女の1500メートルと男子1万メートルが行われる。

〈女子1000メートル〉2年ぶりに頂点に立った高橋侑花(山形中央)=長野市・エムウエーブ

2位に1秒近い差「課題も確認」

 【ヒロイン】決して盤石なレースではなかったが、2位に1秒近い差を付ける完勝劇を演じて見せた。女子1000メートルを制した高橋侑花(山形中央)だ。2年ぶりの栄冠を勝ち取ったヒロインは勝利の余韻に浸ることなく、「課題を確認したレースだった」。世界を視野に入れるからこそ、結果よりも理想とする滑りにこだわりを見せた。

 持ち記録(1分19秒44)のランキングは1位。優勝争いの本命と目された中でも経験豊富な3年生は落ち着いていた。「自分の滑りができれば結果は後からついてくる」。コーナーでのフォームや体重移動などを意識し、200~600メートルのラップは唯一28秒台で滑り抜けた。「技術が上がってラップが出やすくなった」と好感触を口にする。

 自己記録を更新する1分19秒06の好記録でフィニッシュラインを滑り抜けたが、「ラスト1周はスピードに乗り切れなかった」と反省も忘れない。理想とするラインから膨らみ、「タイムロスにつながった」と残念がった。追いすがる同走のライバル・吉田雪乃(盛岡工)は最終コーナーで転倒したが、「周りを意識せず、今できることだけに集中していた」と振り返る。

 今季は世界ジュニア選手権に向けて技術を磨いてきた。大学生や社会人も含めた先の全日本ジュニア選手権では1000メートルで2位、1500メートルで3位。実績を評価されて代表入りを果たしたものの、新型コロナウイルスの影響で大会の中止が決定。目標を見失って落ち込んだが、「先を見据える大切さも知った。来季につながる滑りをしていく」と前を向く。

 1500メートルでも上位入りが期待される18歳は「今回の課題を改善して臨むだけ」。さらなる成長を期し、落ち着いた口調で決意を語った。

〈女子3000メートル〉4位入賞を果たした高橋美生(山形中央)

冷静、高橋美(山形中央)4位・女子3000

 1年生らしからぬ冷静なレース運びが光った。女子3000メートルで4位に入った高橋美生(山形中央)は「積み重ねてきた成果を発揮することができた」。昨年の全国中学校大会で2種目入賞のホープは新たなステージでも躍動し、飛躍への確かな手応えをつかんだようだ。

 安定感が光った。スタートを意識して「落ち着いて滑ることを心掛けた」。焦って突っ込んでしまいがちな序盤を無難に切り抜けると、その後は軽快にラップを刻んだ。4分23秒69の自己ベストでフィニッシュラインを滑り抜け、「目標の23秒台に到達できて良かった」とうなずいた。

 実績のある先輩に憧れて北海道・士幌中央中から山形中央に進学。新型コロナウイルスの影響による一斉休校などで、引っ越し早々は友人のいない新天地での生活に不安もあったが、先輩と自主練習を共にして「意識の高さに刺激を受けた」と振り返る。

 1秒07差で表彰台に届かなかったが、悔しさよりも「これが今の実力」と受け止めている。「前半が良かった分、後半は疲れが出て力んでしまった」。さらなる高みを見据えて収穫と課題はしっかりと把握している。「納得のレースができれば1500メートルでも結果はついてくる」。スピードを持ち味とする16歳の伸びしろは十分だ。

〈女子1000メートル〉7位となり、2種目入賞を果たした古川幸希(山形中央)

古川(山形中央)2種目入賞

 ○…女子1000メートルで古川幸希(山形中央)が7位に食い込み、前日の500メートルの準優勝に続く2種目入賞を果たした。

 同種目は当初、補欠登録だった。後輩で前回の覇者・真野美咲の調子が上がらず、エントリー変更による出場が告げられたのはレース開始2時間前。それでも「心の準備はできていた」という。

 アウトからのスタートはまずまず。落ち着いてレースに入ったが、スピードに乗って内径の小さいカーブを回る際に「重心が振られてしまった」と悔やむ。納得のレースにはほど遠かったが、それでも入賞を果たすあたりは地力の高さゆえだろう。

 「次の2000メートルリレーには強気の姿勢で臨みます」。連覇の懸かる種目に向けて気合を入れ直した。

〈男子1000メートル〉7位に入った福田響(山形中央)

福田(山形中央)7位初入賞・男子1000

 ○…男子1000メートルで福田響(山形中央)は7位。最後の全国高校選手権で初入賞を果たし、「最低限の結果を残すことができた」とほっとした表情を浮かべた。

 氷に力が伝わるよう低い姿勢を意識してレースに臨み、「体の調子が良くて前半は想定通り」と安定したラップを刻んだ。力強さが求められる軟らかい氷のため、ラスト1周は「思ったよりも脚にきてしまった」というが、タイムの落ち込みを最小限にとどめる我慢の滑りで、全国入賞を勝ち取った。

 北海道芽室町出身。近くに強豪・白樺学園がある中、あえて山形中央に進学したのは印象強い五輪選手が育った環境に引かれたからだ。レースでは自己記録を更新し、「スピードも上がって自信がついた」と成長に手応えもつかんだ様子だ。

 「最後のインターハイなのでいつもより気合が入っている」と本人。次の1500メートルでも自己ベストを上回る快走で2種目入賞を決める覚悟だ。

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